ガブリエル・ガルシア・マルケスはフィデル・カストロの親しい友人として知られている。「百年の孤独」と並ぶ彼の代表作「族長の秋」は、カストロのイメージに満ちているともいわれる。
3年前の2003年4月、カストロがラウル・リヴェロなどの反体制作家たちを弾圧して、監獄にぶち込んだ際には、世界中から非難され、キューバはジャーナリストにとって最悪の監獄国家だと罵られたが、その際にもガルシア・マルケスはカストロを擁護した。
カストロは今年80歳になる。高齢に大腸炎が重なり、見る影もなくやつれてしまった。数ヶ月前から政務を弟のラウル・カストロにゆだね、療養に専念していたため、死も近いのではないかと、政敵たちを喜ばせてもいたが、どっこい、体調が回復して、リハビリに励むことができるようになった。
ガルシア・マルケスも今年80歳になる。そこで、世界中のマルケス・ファンが、彼の80回目の誕生日を祝おうとコロンビアに集まってきたところ、忽然として行方をくらましてしまった。
折角の計画が台無しになり、マルケスの真意を図りかねていたファンだが、彼らの驚きはそれだけにとどまらなかった。ガルシア・マルケスは3月15日にカストロの病床に姿を現し、ともに散歩を楽しんだというのだ。年来の親友は数百歩歩いたに過ぎなかったようだが、マルケスの印象では、カストロはまだまだ若々しく、数キロも歩いたように元気だったという。
旧友が自分の誕生祝いを放り出してまで、わざわざ訪ねてきてくれたことに感激したカストロは、ヴェネズエラのチャヴェスとハイチのプレヴァルに電話をかけ、はしゃいだ様子で報告したということだ。
ガボがやってきたぞ、あいつは今ここにいるんだ!
(参考)Márquez avoids 80th birthday celebration to walk with Castro ; By Rory Carroll - The Guardian
関連リンク: 日々雑感
外部リンク: Gabriel Garcia Marquez
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