愛の哲学 Love's Philosophy :シェリー

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パーシー・B・シェリーの詩 Love's Philosophy 「愛の哲学」を読む。(壺齋散人訳)


愛の哲学

  泉は川と結び合い
  川は海と結び合う
  空吹く風は永遠に
  やさしい心と結び合う
  世界には何一つ孤立したものはない
  すべてが神の摂理によって
  他のものと結ばれている
  わたしがあなたと結ばれているように

  山は空に接吻し
  波は互いにもつれ合う
  雌花が実を結ぶためには
  雄花と結ばれなければならない
  日の光は大地を抱き
  月光は海にふりそそぐ
  でもこれらすべても無意味と化す
  あなたがわたしを愛さないなら

革命詩人シェリーには、歯の浮いたような甘い調子のラヴソングは似合わないかもしれないが、彼はそうした詩をいくつか作っている。

「愛の哲学」は、神の摂理としての自然の結びつきと対比させながら、恋人と自分の結びつきを歌っている。もしその結びつきが成り立たないなら、どんな自然の結びつきも、自分にとっては意味のないものだと歌うことによって、女性からの愛を期待している。


Love's Philosophy - Percy Bysshe Shelley

  The fountains mingle with the river,
   And the rivers with the ocean;
  The winds of heaven mix forever
   With a sweet emotion;
  Nothing in the world is single;
   All things by a law divine
  In another's being mingle--
   Why not I with thine?

  See, the mountains kiss high heaven,
   And the waves clasp one another;
  No sister flower could be forgiven
   If it disdained its brother;
  And the sunlight clasps the earth,
   And the moonbeams kiss the sea;--
  What is all this sweet work worth,
   If thou kiss not me?


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