マラルメ夫人の扇 Éventail de Madame Mallarmé

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ステファヌ・マラルメの詩「マラルメ夫人の扇」 Éventail de Madame Mallarméを読む。(壺齋散人訳)

  言霊を振り放つような
  あなたの扇の一振りが
  未来の詩句を解き放つ
  その貴重な棲家から

  翼も低く 文の使いよ
  もしこの扇があなたの背後の
  鏡の中できらめいた
  その扇と同じものなら

  (その鏡の底に向かって
  粉々になった見えない灰が
  追われるように落ちていく
  私の心を悲しますように)

  扇にはいつもそのように
  あなたの手の中で揺らいで欲しい

この詩は1891年、マラルメ夫人の扇の上に書かれたのだという。だからその扇が夫人の手によって揺らされるたびに、マラルメはそこから詩のイメージが解き放たれてくるのを期待したのかもしれない。


Éventail de Madame Mallarmé - Stéphane Mallarmé

  Avec comme pour langage
  Rien qu’un battement aux cieux
  Le futur vers se dégage
  Du logis très précieux

  Aile tout bas la courrière
  Cet éventail si c’est lui
  Le même par qui derrière
  Toi quelque miroir a lui

  Limpide (où va redescendre
  Pourchassée en chaque grain
  Un peu d’invisible cendre
  Seule à me rendre chagrin)

  Toujours tel il apparaisse
  Entre tes mains sans paresse.


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