友愛の森 Le bois amical :ヴァレリー

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友愛の森 Le bois amical (ポール・ヴァレリー:壺齋散人訳)

  わたしたちは純粋な事柄を考えていた
  道々 肩を並べて歩きながら
  わたしたちは互いの手を握っていた
  言葉少なに 名も知らぬ花に囲まれ

  わたしたちは許嫁同士のように歩いた
  草原の緑の夜を二人きりで
  わたしたちは妖精の果実を分け合った
  気のふれた人たちの友 この月を

  わたしたちはコケの上に倒れて死んだ
  穏やかな暗闇の中に二人だけで
  この親密なささやきの森から遠く離れて

  空高く 輝く月の光の中に
  わたしたちの泣いている姿がある
  おお わたしの愛した沈黙の伴侶よ

幻想的なイメージを駆使したこの詩は、シャガールの絵の世界のようだ。読者は言葉の奥からイメージが飛び出してくるのを感じるが、そのイメージは読者の想像力をはみ出して、勝手な配置を取る。


Le bois amical - Paul Valéry

  Nous avons pensé des choses pures
  Côte à côte, le long des chemins,
  Nous nous sommes tenus par les mains
  Sans dire... parmi les fleurs obscures;

  Nous marchions comme des fiancés
  Seuls, dans la nuit verte des prairies;
  Nous partagions ce fruit de féeries
  La lune amicale aux incenses

  Et puis, nous sommes morts sur la mousse,
  Très loin, tout seuls parmi l'ombre douce
  De ce bois intime et murmurant;

  Et là-haut, dans la lumière immense,
  Nous nous sommes trouvés en pleurant
  Ô mon cher compagnon de silence


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