摽有梅:婚期を逸した女(詩経国風:召南)

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詩経国風:召南篇から「摽有梅」を読む。(壺齋散人注)

  摽有梅    摽(お)ちて梅有り
  其實七兮  其の實七つ
  求我庶士  我を求むるの庶士
  迨其吉兮  其の吉に迨(およ)ぶべし

  摽有梅    摽ちて梅有あり
  其實三兮  其の實三つ
  求我庶士  我を求むるの庶士
  迨其今兮  其の今に迨ぶべし

  摽有梅    摽ちて梅有り
  頃筐取之  頃筐もて之を取る
  求我庶士  我を求むるの庶士
  迨其謂    其の謂(つぐ)るに迨ぶべし

梅の実が地上に落ちて、枝には七つ残りました、わたしを嫁にしようと思う人は、わたしがまだ枝にある間に迎えてください

梅の実が地上に落ちて、枝には三つ残りました、わたしを嫁にしようと思う人は、わたしがまだ枝にある今こそ迎えてください

梅の実が地上に落ちて、人は籠で拾い集めます、わたしを嫁にしようと思う人は、せめて言葉をかけて拾ってやってください


枝に残っている梅の実に自らをたとえながら、なかなか嫁にいけない乙女の焦りを歌ったものだと解されている、

売れ残った乙女は仲間が7人になってしまっても、さらに3人になってしまっても、嫁に迎えてくれる人が現れない、とうとう婚期を逸して地上に落ちてしまった上は、もうお高くとまったりはしないから、どうか優しい言葉をかけてくれて、お嫁にしてください、そんな切ない気持ちが歌われているのである、


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