シェイクスピアのソネット12 When I do count the clock

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シェイクスピアのソネット12 When I do count the clock that tells the time(壺齋散人訳)

  時計が時を告げる音を数えつつ
  日が沈んで恐ろしい夜が来るのを見ると
  スミレが花の盛りを過ぎて
  黒髪が白銀色に縮れるのをみると

  日陰を作って家畜たちを暑さから守った大木が
  ことごとく葉を落として裸になるのを見ると
  夏を緑に彩った麦が刈り束ねられて
  繊毛をなびかせながら荷車に詰まれるのを見ると

  わたしは君の美しさを疑問に思わずにはいないのだ
  君もまた時の移ろいとともに色あせるに違いないと
  優しいものも美しいものも必ず衰え
  新しいものの現れるのを見ながら死んでゆく
    何ものも時の大鎌に逆うことはできない
    時に逆らって生き続けるのは子孫だけなのだ


人間の命が時の歩みに抗いがたいことを歌ったこの詩は、シェイクスピアのソネットの中でも有名なもののひとつだ。シェイクスピアはこの詩の中で、時がすべてを拉し去って流れていくことを、一種の無常観を以て描いている。

この詩がソネット集の12番目に置かれていることにも、意味があるようだ。時計の針が一回りすると、それは12番目の印をさすからだ。


SONNET 12 –William Shakespeare

  When I do count the clock that tells the time,
  And see the brave day sunk in hideous night;
  When I behold the violet past prime,
  And sable curls all silver'd o'er with white;

  When lofty trees I see barren of leaves
  Which erst from heat did canopy the herd,
  And summer's green all girded up in sheaves
  Borne on the bier with white and bristly beard,

  Then of thy beauty do I question make,
  That thou among the wastes of time must go,
  Since sweets and beauties do themselves forsake
  And die as fast as they see others grow;
    And nothing 'gainst Time's scythe can make defence
    Save breed, to brave him when he takes thee hence.

Sable:黒、all silver'd o'er with white:時間のもたらす白さによって、髪がことごとく銀色になる、barren of leaves:葉が落ちた木、erst:以前には、Borne on the bier:車に乗せて運ばれる、do themselves forsake:忘れ去られる、Save breed:子どもを持たないでは


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