シェイクスピアのソネット1 From fairest creatures

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シェイクスピアのソネット集から第1番 From fairest creatures we desire increase を読む(壺齋散人訳)

  誰しも美しい者の子孫が増えて欲しいと思うもの
  そうすればバラの美しさは死に絶えないから
  親が時とともに艶を失っても
  子がその美しい面影を伝え続けるだろう

  だが君は自分自身の明るい瞳と婚約したかのように
  己のうちから炎の光を放ち続けながら
  豊穣のあるべきところに飢餓を作り出し
  自分自身を敵にして自分にむごく振舞う

  君は世界にとっては鮮やかな飾りであり
  ただ一人春の使者といえる人なのに
  その君が自分の蕾の中に財産を隠し
  無作法にもしみったれ振りを演じているのだ
    憐れみの情を持ちたまえ でないと大食漢のまま
    世の中の分け前を独り占めにして墓に入ることになるよ


この詩はソネット集154編全体のスタートを飾るとともに、「子作りの勧め」 Procreation Sonnets と呼ばれる17編 (1-17) にとって、基調となる雰囲気を表わした作品である。

詩人は少年期を脱した若い青年に向かって、自分の似姿として子孫を残すように勧めている。時は速やかに過ぎ去るものであるから、青春のただなかである今こそ結婚して子孫を作っておくべきだ。でないと、君のその美しい姿は後世に伝わらない。それは、君との結婚を望む女性たちへのむごい仕打ちであり、世界にとっての損失でもある。

だから早く結婚して子どもを作りなさい。こう歌うこの詩は、恐らく青年の両親から頼まれたシェイクスピアが、青年に向かって呼びかけているのだろうと、解説されてきた。


From fairest creatures we desire increase – Shakespeare’s Sonnet

  From fairest creatures we desire increase,
  That thereby beauty's rose might never die,
  But as the riper should by time decease,
  His tender heir might bear his memory:
  But thou, contracted to thine own bright eyes,
  Feed'st thy light's flame with self-substantial fuel,
  Making a famine where abundance lies,
  Thyself thy foe, to thy sweet self too cruel.
  Thou that art now the world's fresh ornament,
  And only herald to the gaudy spring,
  Within thine own bud buriest thy content,
  And, tender churl, mak'st waste in niggarding:
    Pity the world, or else this glutton be,
    To eat the world's due, by the grave and thee.

Increase:子孫、by time decease:時間の流れとともに死んでいくこと、contracted:婚約する、義務を負う、Thyself thy foe:自分自身を敵にする、thy content:自己満足、マスターベーション、mak'st waste:浪費する、


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