詩経国風:王風篇から「君子于役」を読む。(壺齋散人注)
君子于役 君子役に于(ゆ)く
不知其期 其の期を知らず
曷至哉 曷(いつ)か至らんや
雞棲於塒 雞 塒(ねぐら)に棲む
日之夕矣 日の夕べ
羊牛下來 羊牛下り來り
君子于役 君子役に于く
如之何勿思 之を如何ぞ 思ふこと勿らんや
君子于役 君子役に于く
不日不月 日ならず月ならず
曷其有佸 曷か其れ佸(あ)ふこと有らん
雞棲于桀 雞 桀(とや)に棲む
日之夕矣 日の夕べ
羊牛下括 羊牛下り括(いた)り
君子于役 君子役に于く
苟無飢渴 苟(しばら)く飢渴すること無からん
わたしの夫は行役に駆り出され、いつ帰ってくるとも知れません、いつになったら帰ってこられるのでしょう
鶏がねぐらに住み、日も暮れれば、羊や牛もねぐらへと下りてきます、でも夫は戦場にあってここにはいない、どうしたら思わずにいられましょうか
わたしの夫は行役に駆り出され、いつ帰ってくるとも知れません、いつになったら再び会えることでしょう
鶏が鳥屋に住み、日も暮れれば、羊や牛も小屋のほうへと下りてきます、でも夫は遠方にあってここにはいない、でもくよくよしすぎてやつれないように気をつけましょう
行役に駆り出され遠方にある夫を気遣って詠んだ歌である。
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