花々 Fleurs :ランボー「イリュミナション」

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ランボーの「イリュミナション」から「花々」 Fleurs (壺齋散人訳)

  黄金の台の上から
  - 絹の紐や、灰色のガーゼや、緑のビロード
  ブロンズの太陽のように黒ずんだクリスタルに囲まれ
  - 俺は、銀や目や髪の透かし模様をつけた絨毯の上で
  一本のジギタリスが開くのを見た

  メノウの上に振りまかれた黄金色の断片
  エメラルドの天蓋を支えるマホガニーの樹木
  白いサテンのブーケとルビーをあしらったムチ
  これらがバラの花を取り囲んでいる

  大きな青い目と雪の形をした神のように
  海と空が 初々しくたくましいバラの花々を
  大理石のテラスに引き寄せる


ランボーがこの詩の中で、ジギタリスやバラの花にたとえたものとは何であったか。しかも花々の背景には、青い目のような色をした海と空とが広がっている。幻想的なパステルの絵を見るようだ。


Fleurs

   D'un gradin d'or,
  - parmi les cordons de soie, les gazes grises, les velours verts
  et les disques de cristal qui noircissent comme du bronze au soleil,
  - je vois la digitale s'ouvrir sur un tapis de filigranes
  d'argent, d'yeux et de chevelures.

   Des pièces d'or jaune semées sur l'agate,
  des piliers d'acajou supportant un dôme d'émeraude,
  des bouquets de satin blanc et de fines verges de rubis
  entourent la rose d'eau.

   Tels qu'un dieu aux énormes yeux bleus et aux formes de neige,
  la mer et le ciel attirent aux terrasses de marbre
  la foule des jeunes et fortes roses.


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    このページは、が2008年8月 7日 18:36に書いたブログ記事です。

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