秋 Automne :アポリネール

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秋 Automne (アポリネール:壺齋散人訳)

  霧の中を蟹股の農夫と雄牛が行く
  秋の霧の中をのんびりと行く
  霞んで見えるのは貧しくもつつましい村

  歩きながら農夫は鼻歌を歌う
  愛の歌と浮気の歌
  愛の指輪と傷ついた心の歌

  秋が夏を過去へと追いやった
  霧の中を灰色の二つの影が行く

秋の藹藹とした空気の中を、農夫が牛を引いて歩いていく、単純な構図の詩だが、しっかりとしたイメージがある。アポルネールの詩には、このようにイメージを喚起させるものに、優れた作品が多い。


Automne - Guillaume Apollinaire

  Dans le brouillard s'en vont un paysan cagneux
  Et son boeuf lentement dans le brouillard d'automne
  Qui cache les hameaux pauvres et vergogneux

  Et s'en allant là-bas le paysan chantonne
  Une chanson d'amour et d'infidélité
  Qui parle d'une bague et d'un coeur que l'on brise

  Oh! l'automne l'automne a fait mourir l'été
  Dans le brouillard s'en vont deux silhouettes grises


関連リンク: 詩人の魂ギヨーム・アポリネール:生涯と作品

  • フランス文学と詩の世界




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