白雪 La Blanche Neige :アポリネール詩集「アルコール」から(壺齋散人訳)
空には大勢の天使たち
一人は士官の服を着て
一人はコックの姿をし
他のみんなは歌っている
空色に包まれた立派な士官
クリスマスは遠く去って春爛漫
お前にきれいなメダルをくれるだろう
空色のきれいなメダルを
コックはガチョウの羽をむしる
羽が散って雪のようだ
雪は降る それなのに
お前はもう俺の手にない
視覚的なイメージを喚起する詩だ。大勢の天使たちの中から士官とコックが交代にクローズアップされ、そのコックがむしるガチョウの白い羽が雪に変わって、舞う。
いつか恋人とともにこんな風景を見たのだろう。雪はよみがえったが、そのときのお前はいない。
La Blanche Neige
Les anges les anges dans le ciel
L'un est vêtu en officier
L'un est vêtu en cuisinier
Et les autres chantent
Bel officier couleur du ciel
Le doux printemps longtemps après Noël
Te médaillera d'un beau soleil
D'un beau soleil
Le cuisinier plume les oies
Ah! tombe neige
Tombe et que n'ai-je
Ma bien-aimée entre mes bras
関連リンク: 詩人の魂>ギヨーム・アポリネール:生涯と作品
コメントする