歌1 Song No1:ウィリアム・ブレイク

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ウィリアム・ブレイク詩集「ポエティカル・スケッチ」から「歌1」Song No1(壺齋散人訳)

  何と楽しく野から野へとさまよい歩き
  夏の栄華の限りを味わっていたことでしょう
  そのうち私は愛の王子を見かけたの
  太陽の光の中を滑っていたわ

  王子は私に百合を見せて髪にさすようにいい
  輝くバラを見せて額に飾るようにいったの
  そして美しい花壇に私を連れて行くと
  そこには黄金の歓喜が溢れていたわ

  私の翼が五月の露で濡れてしまうと
  フィーバスが私に火をつけて歌わせたの
  そしてシルクのネットで私を捕まえると
  黄金の籠に閉じ込めてしまったの

  フィーバスは座って私の歌を聞き
  笑って私に戯れていたけれど
  そのうち私の金色の翼を押し広げて
  自由の利かない私を笑い飛ばしたの


フィーバスはフェーブスともいい、ギリシャ神話の太陽神のこと、これと前半に出てくる王子とが違う人物なのか、それとも同じ人物なのか。私は羽をつけた妖精のことだろう。


Song

  How sweet I roam'd from field to field
  And tasted all the summer's pride,
  Till I the Prince of Love beheld
  Who in the sunny beams did glide!

  He show'd me lilies for my hair,
  And blushing roses for my brow;
  He led me through his gardens fair
  Where all his golden pleasures grow.

  With sweet May dews my wings were wet,
  And Phoebus fir'd my vocal rage;
  He caught me in his silken net,
  And shut me in his golden cage.

  He loves to sit and hear me sing,
  Then, laughing, sports and plays with me;
  Then stretches out my golden wing,
  And mocks my loss of liberty.


関連リンク:ポエティカル・スケッチ:ブレイク詩集

  • ウィリアム・ブレイク詩集:無垢と経験の歌




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