豊穣たる熟女たちと秋葉原車力に憩う

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先稿では筆者の職場の魅力ある女性たちを讃えて「豊穣たる熟女たち」と呼んだ。その彼女たちと遅ればせながらの新年会をかねて、秋葉原の和食屋車力で小宴を催した。総武線の高架沿いにある小さな店である。これまでは縄暖簾のようなところでばかりで飲んでいたので、たまには洒落た店でやろうと思ったのである。

席に通されると料理数品を注文し、生ビールで乾杯した。付け出しにはふぐの煮こごりが出てきた。これがなかなかうまい。するとT女があなごの煮こごりの話をしだした。筆者はいつか、羽田のアナゴ料理屋で仲間と飲んだときのことをブログで書いたことがあったのだが、それを彼女は読んでいたのだった。その口吻からして、自分たちにも連れて行って欲しいわといわんばかりの感じだ。しかし羽田は遠いからなあ。

そのうち刺身の盛り合わせが出てきて、茶碗蒸しが出てきて、煮物や焼き物が出てきた。みなそれぞれに結構うまい。熟女たちは満足そうに舌鼓を打って食っている。やはり縄のれんや居酒屋で食うのとは違うのだなあ。

筆者などは料理にはあまりうるさいほうではないが、うまいものはやはり、まずいものよりはうまく感じる。

そこで話題は自然と料理のことに及んだ。みなそれぞれに仕事を持っているので、料理にはそんなに時間をかけていられない。それでも自分なりに工夫をして、少しでもうまいものを家族に食わせたい。そこが腕のふるいどころなのよ、そんな意気込みが伝わってくる。

T女とY女は根菜が好きで、サトイモの煮ころがしはよく作るのよと、出されたサトイモをうまそうにほおばる。M女は肉が好きなようで、こちらは献立にはない鶏の手羽先を食いたがる。

皆が共通して好きなのは松前漬らしい。今年の正月にも故郷仕立ての松前漬を銘々に作ったそうだ。ところが筆者には意外だったが、土地によって作り方にだいぶ差がある。Y女はスルメも昆布もにんじんも千切りにして、それを醤油とみりんを合わせた汁に漬けるという。T女はこの三つのほかに白菜やキャベツも入れるという。おいおい、それでは松前漬というより、キムチになっちゃうよ。

筆者も今年は久しぶりに自分で松前漬を作った。その話を披露したら、みな興味しんしんで聞いていた。筆者のは、するめとわかめを割り箸の先ほどの大きさに切り、にんじんはあらかじめ湯通ししておく。たれはしょうゆと酒を半々にして、それに味の素を振りかけ、にんにくのかけらを数個入れる。このにんにくが入っているおかげで松前漬の味が引き立つのだが、にんにく嫌いの筆者の家内はいやな顔をして手を出さない。

家内がにんにく嫌いだといったら、彼女たちは筆者に同情してくれた。彼女らもにんにくが大好きなことは、先日丸揚げにしたものをひとりで一個づつ平らげたことでもわかる。

筆者の家内は、にんにくに限らず匂いのきつい野菜が嫌いだ。ニラ、ねぎ、たまねぎなどは、生かそれに近い状態では決して食わない。こんな話をしたら彼女らは驚いた表情を見せて、ますます筆者に同情してくれた。湯豆腐の鍋が出てくると、M女はねぎばかりを選りだして、筆者の器をねぎで山盛りにしてくれたほどだ。

こんな調子で、うまいものを食いながら話がはずんだ。時計を見るともう九時だ。四時間もしゃべっていたことになる。

魅力的な熟女がた、今宵はこの辺でお開きにしましょう。





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このページは、が2009年2月 2日 20:43に書いたブログ記事です。

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