あひるたちとの愉快な宴会

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筆者には「あひるの会」と称する愉快な仲間がある。その連中と久しぶりに田町の「道灌かがり」という店に集まり、小宴を催した。メンバーの大部分が集まるのは、一昨年の暮れに台湾へ旅行して以来である。今回はメスのあひるが2羽、オスのあひるが7羽、計9羽集まった。

本物のあひるのように書いてしまったけれど、もちろん人間たちだから、本当は9人と書くべきところだ。

とにかく久しぶりだから話の種にはつきない。中でも筆者は昨年の夏に定年を迎えたので、特別に挨拶をさせられた。次に、まだ現役でがんばっているものを代表して、T女(ほんとうはタンチャンあひるという)が挨拶をした。彼女はこの厳しい時代に、管理職として組織を引っ張っていく立場になるそうだ。

ほかの連中はそれぞれに元気でやっているようだ。半数以上は定年を超えた年齢だ。筆者と同じように仕事を続けているものもあれば、完全にリタイアして悠々自適の生活をしているものもある。健康状態は、筆者並みにまずまずといったところらしい。

遠慮のない間柄だから、お互いに近況を語り合っては、大いに笑い、大いに飲む。そのうち話題は自然と、次回はどこへ旅行しようかという点に収斂していく。なにしろこの仲間は、一緒に旅行することを会のコンセプトにしているのだから。

幹事役のS女(しずちゃんあひるという)が、ソウルへ二泊旅行をしましょうと提案した。筆者はソウルには一度も行ったことがないので異存はなかったが、難色を示すあひるが何人かいる。中でもおおさんあひるなどは、それなら自分はパスするといいだした。困ってしまったしずちゃんあひるは、話を一旦ご破算にして、みんなの意見を聞いた。だが話はなかなかまとまらない。

ヨーロッパには行ってみたいけれど、ヨーロッパは遠すぎて時間が足りない。アメリカもやはり遠いし、かといってハワイやグアムではつまらない。そこで自然と、中国か東南アジアかということになったが、ここで意見が二つにわかれた。女性たちは中国に偏見をもっているらしく、中国はトイレが衛生的でないからいやよという。これに対して最近北京にいってきた少尉あひるが、最近の中国、すくなくとも北京は東京並みに衛生的だと反論する。だが女性たちの偏見はなかなか根強く、中国は候補から外れた。

筆者は、東南アジアはどうだといって、数年前にインドネシアに旅行したときの快適さを物語った。物価は安いし、人々は親切だし。

だがそのときに、バンドンの公園のトイレで、紙の代わりに置かれていた桶から、左手で水をすくい取ってお尻をぬぐった話をついもらしたところ、女性たちが猛烈な拒絶反応を示した。こうなると、それがレアなケースだといくら説明しても無駄だ。これで東南アジア諸国は十把一からげで印象を悪くし、彼女たちの受け入れるところとならなかった。

ではインドはどうだとほかのあひるがいったら、これも女性たちには気に入らない。やはりまだ後進国のイメージがあるので、トイレが非衛生的に違いないと思っているのだろう。

ところが東南アジアの中でも、シンガポールだけは特別な印象があるらしく、彼女たちも拒絶反応を示さなかった。だがシンガポールは街中でタバコを吸えないことで有名だ。だからメンバーの中にいる二三のスモーカーたちはあまり喜ばない。それでもまあレディファーストというから、今回はレディたちのいうところを汲みいれて、シンガポールへいこうかと、そういうことになった。

みんなが行き先を巡って侃々諤々の議論をしている間、筆者は隣に座っていたよこちゃんあひるに声をかけ、一緒に上海へでも行こうと持ちかけた。するとよこちゃんあひるは、意外にも即座に、ぜひ一緒に行きましょうと話しに乗ってくれ、それにいまちゃんあひるまでが加わってきた。そこで三人の間で早速日程調整が始まり、4月の中ごろに行こうということになった。

こんなわけで筆者は、この夜は存分に楽しい思いをしただけでなく、海外旅行のパートナーまで見つけることができた。なにしろ筆者の家内は飛行機が大嫌いで、海外旅行にまではつきあってくれないから。


関連リンク: 日々雑感

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    このページは、が2009年2月23日 18:15に書いたブログ記事です。

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