よく食べ、よく飲み、よくしゃべる:豊穣たる熟女たち

| コメント(0) | トラックバック(0)

筆者が職場の豊穣たる熟女たちと折節に飲んでいることは、このブログでも何度か言及してきたが、この度はメンバーを少し拡大して、六人の熟女たちと本所吾妻橋のもつ焼屋「稲垣」で飲んだ。いつもの三人に加え、サブリーダー役の三人を加えた次第だ。

稲垣にはこれまで別のグループと何度か来たことがある。安くて、うまくて、くつろいで飲める店なので、地元では人気がある。よく食べ、よく飲み、よくしゃべる彼女らを連れて行くには、ちょうどよい店だと思ったのである。

あらかじめ一人いくらでやってくれといっておくと、その範囲内で楽しませてくれる。多少酒の量がはみ出しても、小うるさいことはいわない。この日はまず餃子鍋が出てきて、そのあとにゴマ豆腐、野菜、刺身の盛り合わせ、てんぷらなどのほか、この店の看板料理たるもつ焼きがふんだんに出てきた。

みなもつ焼きは好きだと見えて、うまそうに食いながら、口はしゃべることも忘れない。なにしろ日ごろ遠慮のない仲間同士の熟女が六人も集まったのだ。その騒々しさは、推して知るべしといったところだろう。筆者などは席の片隅に小さくなって、彼女らの元気の良さに圧倒され続けである。

C女などは店員を捕まえて、これをもってこい、あれをもってこいとうるさい。店員は彼女の威勢にあおられてたじたじとなる。と思うと、仲間同士大きな声で話し合う。個室だからよいものを、大部屋のテーブル席だったら、周囲からうるさがられるに違いない。

この日は無礼講のようなものだから、互いに遠慮をはずしてうまい酒を飲もう、そして仕事の話は抜きにして他愛ない話をしようといっておいたのだが、やはり仕事の愚痴はでてくるものだ。

彼女らはみな職場のベテランで、毎日の仕事を動かしていく立場にある。ところが仕事はなかなかうまく回っていかない。そんな日ごろの鬱憤が、こうした席で出てくるのはいたし方のないことだ。だから筆者は、たいていはその愚痴を黙って聞き入れてやる。しかし余り度が過ぎると、熟女にふさわしくないよと、釘をさすこともある。

仕事の話でないとしたら、彼女らが喜ぶのは、やはり他人の噂話だ。それも色気を伴った話が喜ばれる。男女の間は、いくつになっても興味があるのだろう。

でなければ、いやな奴の悪口だ。仕事上いやな思いをさせられた奴のことは、いつまでも忘れないようだ。それをこうした席で吐き出すのは、精神衛生上理由のあることなのだろう。筆者も他日彼女らの悪口の材料にされぬよう、気をつけなくてはと、感じ入ったところだ。

いやなやつの悪口は、男同士の席でもよく出てくるものだ。人間というものは、他人の悪口をいって、そいつを貶めることで、自分がその分高められたような錯覚を味わうようにできているものだ。だからそう簡単にはやめさせられない。

筆者にとって一番毒のない話は、下ネタに近い話だ。これは生き物としての人間にとって、最も根源的なことがらともいえる。語って語りつくせるものではない。聞くほうも面白いし、それを語る人の表情にいたっては、生き生きとした喜びで溢れるようにもなる。

こうしたわけで話が下の方に傾くと、座の雰囲気は和らぐ。その分酒の味もうまみをます。今宵も豊穣たる熟女たちと楽しいひと時を過ごせたと思えるのだ。


関連リンク: 日々雑感


  • 本所吾妻橋のもつ焼屋「稲垣」に集う

  • 女が男の股引をはく時

  • 豊穣たる熟女たちと秋葉原車力に憩う

  • 豊穣たる熟女たち:本八幡「うえだ別館」にて




  • ≪ 江南小紀行その四:上海市街(観光隧道、南京路散策) | 旅とグルメ | 安曇野へスケッチツアー ≫

    トラックバック(0)

    トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/1492

    コメントする



    アーカイブ

    Powered by Movable Type 4.24-ja

    本日
    昨日

    この記事について

    このページは、が2009年4月20日 18:45に書いたブログ記事です。

    ひとつ前のブログ記事は「ヘルプ Help!:ビートルズの世界」です。

    次のブログ記事は「ビオラ Viola:花の水彩画」です。

    最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。