古風其九「荘周夢胡蝶」:李白

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李白の五言古詩「荘周胡蝶を夢む」(壺齋散人注)

  荘周夢胡蝶  荘周胡蝶を夢み
  胡蝶為荘周  胡蝶荘周と為る
  一體更變易  一體 更(こもご)も變易し
  萬事良悠悠  萬事 良(まこと)に悠悠たり
  乃知蓬萊水  乃ち知る蓬萊の水の
  復作清淺流  復た清淺の流れと作るを
  青門種瓜人  青門に瓜を種うる人は
  舊日東陵侯  舊日の東陵侯なり
  富貴固如此  富貴固より此の如し
  營營何所求  營營として何の求むる所ぞ

荘周は胡蝶の夢を見て、夢の中で胡蝶が荘周となった、ひとつのものが互いに変化しあい、万事はまことに極まりなく変化するのだ

東海の蓬莱の水も、めぐりめぐって浅い川の流れとなる、青門に瓜を植えている人を見れば、それはかつての東陵侯だ

富貴などこのようにはかないものだ、あくせくして求めるなど空しいことではないか


荘周の夢は「荘子」のなかに出てくる有名な寓話。李白はこれを物事が転変変化するさまにたとえている。


関連サイト:

  • 李白の詩60篇の注釈と鑑賞

  • 漢詩と中国文化




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