李白の五言古詩「荘周胡蝶を夢む」(壺齋散人注)
荘周夢胡蝶 荘周胡蝶を夢み
胡蝶為荘周 胡蝶荘周と為る
一體更變易 一體 更(こもご)も變易し
萬事良悠悠 萬事 良(まこと)に悠悠たり
乃知蓬萊水 乃ち知る蓬萊の水の
復作清淺流 復た清淺の流れと作るを
青門種瓜人 青門に瓜を種うる人は
舊日東陵侯 舊日の東陵侯なり
富貴固如此 富貴固より此の如し
營營何所求 營營として何の求むる所ぞ
荘周は胡蝶の夢を見て、夢の中で胡蝶が荘周となった、ひとつのものが互いに変化しあい、万事はまことに極まりなく変化するのだ
東海の蓬莱の水も、めぐりめぐって浅い川の流れとなる、青門に瓜を植えている人を見れば、それはかつての東陵侯だ
富貴などこのようにはかないものだ、あくせくして求めるなど空しいことではないか
荘周の夢は「荘子」のなかに出てくる有名な寓話。李白はこれを物事が転変変化するさまにたとえている。
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