ボケ(木瓜):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)
ボケには木立のものと草性のものとの二種類がある。草性のもの、通称草ボケは、50センチほどの草の先に、冬の終わりに花を結ぶ。木立のものもそうたいして大きくはなく、せいぜい人の背丈のほどにしかならないものが多い。
この二種類のボケのうち、草生のものは日本に自生するもの、木立のものは中国から伝来したものだそうだ。いづれも桃の花に似た華麗な花を咲かせる。
ボケの名の由来には諸説ある。古語に草ボケを称して「ぼっけ」といったことが語源だとする説が有力だが、実が瓜に似ていることから、木に生える瓜、つまり「木瓜=ぼっか」といったことが語源だとする説も有力だ。
名前の詮索は別にして、この花は日本の初春を彩るものとして、昔から尊重されてきた。筆者も子供の頃から、この花に親しんできた。亡くなった母親が、梅や桃の花と並んでこの花をこよなく愛し、庭の一隅に必ず植えていたからだ。
花言葉には、「先駆者」、「指導者」がある。ほかの花に先駆けて、いち早く春の到来を告げることから、そのような言葉があてられたのだろう。
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