都議選の結果は大方の事前予想どおり自民大敗に終わった。自民党は改選前議席を10減らして38に落ち込み、公明党の23とあわせた与党全体でも過半数に届かなかった。一方民主党は54議席を獲得して第一党に躍り出た。(定数127)
各選挙区ごとの内訳を分析すると、42の選挙区のうち38で、民主党の議員がトップ当選を果たした。7つある一人区は小選挙区と同じ構図といえるが、そこでは民主党が6勝1敗と圧勝した。(1敗したのは島嶼地区)
この選挙結果をどうとらえるか。自民党の幹部はいまだに、地方選挙の結果と国政とは結びつかないなどといっているが、有権者がこの選挙を通じて、自民党政権への厳しい審判を意思表示したことは疑う余地がない。目先に迫っている総選挙に及ぼす影響は、計り知れないと思われる。
実際過去の例を見ても、国政選挙と前後して行われた都議選の結果は、国政選挙の結果と深く連動していた。1989年の都議選は消費税問題やリクルート事件が影響して自民党は43議席と低迷、その直後に行われた衆院選ではマドンナ旋風が吹き荒れた。
1993年の都議選は宮沢内閣不信任決議問題が影響して自民党は44議席と低迷、その直後の衆院選では新党ブームが巻き起こった。
これに対し、2001年の都議選は小泉ブームに乗って自民党に追い風が吹き5議席上積みの健闘、直後の参院選でも自民党は勝利した。
こうした流れから容易に予想されるとおり、次の衆院選で自民党が大敗を喫するだろうことはほぼ間違いない。
なぜこんなことが起きているのか、小賢しい解説は必要あるまい。国民の多くは自民党政治に対して、心から怒っているのだ。小泉政権以来続いてきた自民党政治の流れが、この国をおかしな方向に導いてきた。その結果国民の多くは、雇用や生活を脅かされ、明日への希望も持てなくなってきた。そんな怒りが自民党に向けられているのだ。
かてて加えて、自民党の総裁つまりこの国の総理大臣の椅子には、わけのわからぬ人物が座っている。その人物たるや、身内の者からさえ無能呼ばわりされる始末、指導力のかけらもないといった有様だ。
このまま状況が変わらぬ限り、次の総選挙は結果が見えている。自民党は国民の鉄槌を受けて、粉々になってしまうだろう。
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