横浜市開港記念会館:水彩の風景

| コメント(1) | トラックバック(0)

wc090902.kaikou.jpg

今年は横浜開港150周年に当たる年だ。開国博はじめさまざまな記念イベントが催されたという。筆者が数年前に見た楽しいパレードも、さらに規模を大きくして華やかに行われたに違いない。あの頃筆者は足しげく横浜に出向いては、港の風景や洒落た洋館群をスケッチするのが楽しみだった。

だがあの頃に描いた絵を改めて眺めてみると、技巧の拙劣なのに自分ながら驚くほどだ。全体に色使いがよくない。画面に明るさが足りないし、なんとなく汚れたようにみえる。これは筆の使い方に問題があるのであって、何度も重ねぬりをしたことの結果だということはよく分っている。初心者にはありがちなことなのだ。

これから風景画を再開しようとするのにあたって、昔描いた絵をもう一度書き直そうと思った。そうすれば自分の進歩の度合いも、まだまだ至らない部分も、納得できようというものだから。

手始めに横浜市開港記念会館を描きなおしてみた。構図はもとの絵とほとんど変わらないが、周囲の建物などはすべて削り取って、モチーフの建物だけを表現した。また一角に人間の姿を加えて、絵に動きのようなものを持ち込もうとした。

この建物は、いまでも横浜のシンボルとして親しまれているものだ。レンガの色合いが絵になるので、スケッチにやってくる人も多い。

大正六年、横浜開港50周年を記念して建てられたもので、設計したのはコンペで選ばれた無名の建築家だった。関東大震災でドームが崩壊するなどの被害を受けたが、大戦中の空襲にはさらされなかった。そのため保存状態は比較的よいという。

ドームを伴った建築当初の姿に復元されたのは、平成元年のことだ。





≪ 水彩で描く風景画 | 水彩画を楽しむ | 横浜えの木亭:水彩で描く風景 ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/1782

コメント(1)

良くぞあの建物を取り上げて下さいました。素敵に描いて下さって、有難うございます。 浜っこの私に取ってはとても嬉しい事です。 きっと完成当時はあんな感じだったかもしれませんね。この春に里帰りした際、何度もその前を通り過ぎたものです。 知る人ぞ知るの横浜の塔の一つです。

開港記念パレードもホテルニューグランド近くの出発点で最初から最後まで楽しむ事が出来ました。

さて、横浜開港150周年記念に合わせ同じく浜っこの友人の写真家(町田昌弘氏)は 「横浜ナイト&デー」という写真集を出版しました(ISBN978-4-8179-2118-5  C0072 ¥2000E、 出版社 日本カメラ社)。 中学生時代から現在迄撮り続けた中からの選りすぐりを集めたものです。 その中にもこの建物が下記のように取り上げられています。

横浜三塔物語

その昔、横浜港に入港した船からまず三つ塔が見えた。 三つの塔が見えると、船員たちは日本に着いたという安堵感と懐かしさから、横浜税関を「クイーン」(左)、神奈川県庁を 「キング」(中央)、横浜市開港記念会館を「ジャック」(右)と親しみを込めて呼んだという。 昔はランドマークだったこれらの塔も今やビルの中に埋もれ、三つの塔が同時に見えるポイントは三ヶ所に限られてしまったそうだ。

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

最近のコメント

この記事について

このページは、が2009年9月14日 19:26に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「チベット僧の即身仏 Tibetan Buddhist Mummy」です。

次のブログ記事は「リーマン・ショックから一年:マネー資本主義は変わったか」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。