次期発行予定のギネスブックに世界一長身の人間が紹介されるそうだ。その人はスルタン・コーセン Sultan Kosen さんという27歳のトルコ人男性。彼の身長はなんと8フィート1インチ(247cm)もあるそうだ。(上の写真:AP提供)
筆者などから見ると、180cm以上ある人は非常に大きく感ずるし、190cmともなれば巨人の域に達しているように思われる。それが2メートルを超えるとなるとどうなるか。
いつか仕事の関係でプロレスラーのジャイアント馬場さんにあったことがあるが、そのときに感じた驚きは筆にすることもできない。身長はたしか210cm以上と聞いた。背が高いというだけでなく、手足の大きさだって桁外れにでかかった。でも馬場さんは人柄が柔和だったので、体がでかいからといって、人を威圧するような印象は感じなかったけれど。
だから247cmなどといわれると、ちょっと想像もつかない。なぜこんなにでかくなってしまったのだろうか。
コーセンさんの場合には、脳下垂体にできた腫瘍が原因で成長ホルモンが異常分泌され、こんなに大きくなってしまったそうだ。背が高いばかりでなく、手足も馬鹿でかい。手のサイズは27.5cm、足のサイズは36.5cmという。最近腫瘍の摘出手術を受けたおかげで、もうこれ以上大きくなることはないらしい。
体が標準をはみ出て大きくなると色々不都合なことがおこる、とコーセンさんはいう。まず自分の住んでいる家が普通のトルコ人のサイズに合わせて作られているので、家の中でもたえず背をかがめていなければならない。着るものだって自分にあうサイズのものはどこにも売っていない。だからしゃれた服装をしたいと思っても、欲しいものがなかなか手に入らない。一番困ることは、女の子達が自分の大きさにたじろいで、誰も恋人になってくれないことだ。
もちろん背の高いことが便利なこともある。いつどこにいても、人から見下ろされることはない。かえって遠くからやってくる友人をいち早く見つけられる利点もある。しかしそんなことは恋人を得られない不都合に比べれば大してありがたいことではないと、コーセンさんはいう。
実際には、コーセンさんより大きな人がいるそうだ。ウクライナ人のレオニード・スタドニクさん(37歳)がそうで、8フィート5インチ(257cm)あるという。しかしスタドニクさんはそのためにさんざん見世物にされて、心の休まる暇もなかった。だからギネスブックが公式記録をとるために測定を申し出たときには、その後の影響を考えて断ったという。
ギネスブックでは、こうした経緯を踏まえて、世界最長身記録保持者としてコーセンさんを取り上げたということらしい。
ところでいまのところ世界中には、8フィート(244cm)をこえる巨人が10人確認されているそうだ。残念というべきか知らぬが、その中に日本人はいない。
コメントする