共感を呼ぶココ・シャネル Coco Chanel

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伝説的なファッションデザイナー・ココ・シャネル Coco Chanel がいま、世界的に脚光を浴びている。ブロードウェーでは彼女の生涯を描いた舞台が評判になり、また彼女を主人公にした映画が4本も公開された。日本でも大地真央らが演ずる舞台が人気を集めているという。

なぜいまココ・シャネルなのか。映画を見たという人の話を聞くと、大変勇気付けられたなどという言葉が返ってくるから、その生き方がいまの若い人たちにも共感を呼んでいるのだろう。

筆者はファッションのことについては門外漢同然で、シャネルといえば香水の「シャネルの5番」くらいしか思い浮かばなかったが、今日成功しているファッションデザイナーの草分け的な存在だったらしい。

その生涯は波乱に満ちたものだったようだ。母親と死に別れ、父親にも捨てられ、孤児院や修道院で少女時代を過ごし、そこで習い覚えた裁縫の技術が後にファッションデザイナーとして活躍する下地になった。自立して以降は交際相手に恵まれ、一歩一歩成功を勝ち取っていく。それは生きる希望とそれを支える努力とが、わずかなチャンスを確実にものにしたことの結果だった。そんな生き方が今日の若者に支持されるのかもしれない。

ココ・シャネルにも暗い側面はあったようだ。ひとつは経営する工場の労働者たちに、過酷な姿勢をとったこと、もうひとつは第二次世界大戦中ナチス寄りの姿勢をとったことだ。彼女はそのため大戦終結後はフランスにいられなくなり、長い間スイスでの亡命生活を余儀なくされた。

そんな彼女を再び桧舞台に引っ張り出したのは、アメリカ人の支持だった。アメリカ人はシャネルの過去にはこだわらず、彼女の先鋭的なファッションと香水に飛びついたのだ。「シャネルの5番」はあのマリリン・モンローの台詞を通じて、日本人にもなじみの深いものになった。

要するに生涯に何度も逆境に直面しながら、そのたびにそれを跳ね除けてのし上がっていった。その女ながらにたくましい生き方が、若い女性を中心とした今日の若者たちの共感を呼んでいるのだろう。

なにしろ若者にとって夢のない時代だ。彼らはその夢をシャネルの生き方に託して、自分自身にも希望を沸き立たせようとしているのかもしれない。





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このページは、が2009年10月 6日 19:12に書いたブログ記事です。

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