陪鄭廣文游何將軍山林十首 杜甫

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杜甫の五言律詩「鄭廣文に陪して何將軍の山林に游ぶ」(壺齋散人注)
  
  不識南塘路  識らず南塘の路
  今知第五橋  今知る第五橋
  名園依綠水  名園 綠水に依り
  野竹上青霄  野竹 青霄に上る
  谷口舊相得  谷口 舊(もと)より相ひ得
  濠梁同見招  濠梁 同じく招かる
  平生為幽興  平生 幽興の為には
  未惜馬蹄遙  未だ馬蹄の遙かなるを惜しまず

南塘の路がどこにあるか知らなかったが、今始めて第五橋を知った、名園は緑の流れに寄り添い、野竹が大空まで伸びている

谷口たる鄭廣文とは昔からのよしみなどで、このたび同道を許された、平生から遊興のためなら、遠く馬を馳せることを辞さない私だ


鄭廣文は廣文博士鄭虔のこと。杜甫が心を許した人だ。この人に伴われて何將軍の山林に遊んだときのことを、杜甫は十首の詩に歌っている。これはその第一首。

何將軍が何者であったか、詳しいことはわからぬが、長安南郊の小稜原に広大な山荘をもっていた。将軍はここに鄭虔をたびたび招いたらしい。廣文博士は閑職で地位も高くないが、将軍は鄭虔の高潔な人柄に魅かれたようだ。

科挙に落第して間もない頃の作と考えられる。


関連サイト: 杜甫:漢詩の注釈と解説





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