早秋苦熱堆案相仍 杜甫

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華州の役所で杜甫が着任した司功参軍という職は、州内の官有地の管理から人民の生活にいたるまで広い領域をカバーするものだったらしいが、これまでの左拾遺が清官と呼ばれていたのに対して、これは卑官と呼ばれるように、高い志を持った杜甫にとっては不本意きわまるものだった。

実際職務をとってみると、毎日を雑用に追われ、心休まる暇もない。杜甫は早速幻滅を感じた。そんな気持ちを次の詩に歌っている。乾元初年七月、着任間もない頃の詩である。

杜甫の七言律詩「早秋、熱に苦しみ堆案相ひ仍る」(壺齋散人注)

  七月六日苦炎熱  七月六日炎熱に苦しむ
  對食暫餐還不能  食に對して暫く餐せんとすれど還た能はず
  每愁夜中皆是蠍  每(つね)に愁ふ夜中皆是れ蠍なるを
  況乃秋後轉多蠅  況んや乃はち秋後轉(うた)た蠅多し
  束帶發狂欲大叫  束帶發狂して大叫せんと欲す
  簿書何急來相仍  簿書何ぞ急に來して相ひ仍(よ)るや
  南望青松架短壑  南望すれば青松短壑に架す
  安得赤腳踏層冰  安んぞ赤腳の層冰を踏むを得ん

七月六日夏の炎熱に苦しむ、食事を前に食おうとするが食うことができぬ、つらいのは毎晩出てくる蠍のこと、まして秋を迎えてハエも多くなった

束帯の姿が窮屈で発狂せんばかりだ、書類が次々と運ばれてきてうんざりさせられる、南を望めばそこには青松が崖に生えている、どうにかして裸足で清浄の境地に遊びたいものだ


堆案相ひ仍る、つまり書類が次々と運ばれてきてうんざりさせられるのは、職務柄のことだったといえる。杜甫はそんな自分の境遇にいつまでも満足しているつもりはなかった。一年ほど後には、職をなげうって、再び放浪の旅に出ることだろう。


関連サイト: 杜甫:漢詩の注釈と解説





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