愛と死 Death in Love:ダンテ・ガブリエル・ロゼッティ

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ダンテ・ガブリエル・ロゼッティのソネット集「命の家」から「愛と死」Death in Love(壺齋散人訳)

  生命に仕えるもののひとつのイメージがある
  それは天使の翼をつけ手には旗を持ち
  その美しい翼には なんと
  魂を抜かれたお前の顔が描かれていた
  妙なる音が響いて 春が目覚め
  音はわたしの心の中まで染み入って来る
  まるで中身のない時間のように空虚に
  すると新しく生まれでたものがうめき声をあげた

  ヴェールに包まれた女が天使の後に続き
  天使の持つ旗竿をつかんで旗を巻き上げた
  そして天使の翼から羽をむしり取って
  それを唇に押し当てると こう言ったのだ
  「見よ わしは息をせぬゆえに羽も動かぬ
  わしはこの天使と同じもの わしは死なのだ」


「命の家」第48番。死は愛そのもののなかに潜んでいる。死は愛と隣りあわせなのだ。愛はキューピッドの形をとって我々に表れるが、その翼には死の顔が描かれている。


DEATH-IN-LOVE

   There came an image in Life's retinue
   That had Love's wings and bore his gonfalon:
   Fair was the web, and nobly wrought thereon,
   O soul-sequestered face, thy form and hue!
   Bewildering sounds, such as Spring wakens to,
   Shook in its folds; and through my heart its power
   Sped trackless as the immemorable hour
   When birth's dark portal groaned and all was new.

   But a veiled woman followed, and she caught
   The banner round its staff, to furl and cling,--
  Then plucked a feather from the bearer's wing,
   And held it to his lips that stirred it not,
   And said to me, 'Behold, there is no breath:
   I and this Love are one, and I am Death.'


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