夢 Heart of the Night:ダンテ・ガブリエル・ロゼッティ

| コメント(0) | トラックバック(0)

ダンテ・ガブリエル・ロゼッティのソネット集「命の家」から「夢」HEART OF THE NIGHT(壺齋散人訳)

  子どもから青年へ 青年から男へ
  無気力から熱気ある心へ
  信仰の生活から夢見がちな日々へ
  信頼から疑念へ 疑念から放埓へと

  ひとはめまぐるしく変化し続ける
  ああ魂よ そのように速やかな変化の先に
  彼女の魂が不死の存在となり
  かつての肉体を あったがままに取り戻せたら

  労働と平和の神 生活の守護神
  恐ろしい意思を持った神 もう一度
  彼女の魂に息を吹き込み生き返らせてくれたら

  ふたたび彼女との平和な日々が取り戻せたら
  彼女の意思を強くさせて
  汝 死の神を直視させてやりたい


「命の家」第66番。字面からは読みづらいが、おそらく夢の中で亡くなった妻エリザベスの魂に出会ったのだろう。ロゼッティはそれが夢の中だけでなく、現実でも起こるように、エリザベスの魂に息を吹き込み、もう一度昔の姿に生き返らせて欲しいと、神に願っているようだ。


HEART OF THE NIGHT

  From child to youth; from youth to arduous man;
  From lethargy to fever of the heart;
  From faithful life to dream-dowered days apart;
  From trust to doubt; from doubt to brink of ban;--
  Thus much of change in one swift cycle ran
  Till now. Alas, the soul!--how soon must she
  Accept her primal immortality,--
  The flesh resume its dust whence it began?

   O Lord of work and peace! O Lord of life!
  O Lord, the awful Lord of will! though late,
  Even yet renew this soul with duteous breath:
  That when the peace is garnered in from strife,
  The work retrieved, the will regenerate,
  This soul may see thy face, O Lord of death!


関連サイト:英詩と英文学





≪ 最後の贈り物 Love's Last Gift:ダンテ・ガブリエル・ロゼッティ | 英詩のリズム | 上書き A Superscription:ダンテ・ガブリエル・ロゼッティ ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2176

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2010年3月19日 19:42に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「東の雲ははやくも蜜のいろに燃え:宮沢賢治「春と修羅」第二集」です。

次のブログ記事は「上書き A Superscription:ダンテ・ガブリエル・ロゼッティ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。