先日猫の肉のシチューを食ったといってイタリア国民の反感を招いたベッペさんの話題をとりあげた。その中でベッペさんは、ウサギの肉は食べてもよく、猫の肉は食べてはいけないというのは偽善的だと反論していた。実際ヨーロッパの食文化の中では、ウサギはいまでも人気のある食材なのだ。
そのウサギのダイニングについて New York Times の電子版が取り上げていた。D'ont Tell The Kids By Kim Severson(写真ともNYT)
最近ブルックリンのある料理教室でウサギ料理の講習が開かれた。このコースでは念の入ったことに、ウサギの殺し方や解体の仕方から教えてくれるのだそうだ。
ウサギは他の動物に比べて殺すのが簡単だと思われている。ナイフで首を掻き切ればいとも簡単に死ぬし、タオルを絞るように首を絞っただけで、泣き声も立てずに静かに死んでいく。鶏を殺すより手間がかからない。
この教室では、ウサギを腹ばいに寝かせ、首の上に箒の柄を押し付けた状態で、後ろ足をつかんですばやく持ち上げる方法を用いた。一種の絞殺法といえる。手早くやれば確実に、しかもウサギにとっては楽に、殺すことが出来る。それでもなかにはたじろいで手元が狂い、ウサギに無用の苦痛を与える人がいたそうだ。
肉は鶏に比べてずっと柔らかく、丸焼きにするというわけにはいかない。しかも部位によって、やわらかさの程度が異なるので、それぞれに応じた調理が必要となる。アメリカではフライにあげたりソテーにして食べるひとが多いようだ。もちろんラビットパイも人気がある。
最近はDIYのひとつとして自分で飼ったウサギで料理を楽しむ人が増えている。結構繁殖力が強いので増やすことが簡単だ。ただウサギは母性愛にかけるところがあるらしく、育児を放棄する親ウサギが多いから、注意しなければならない。
ところでウサギはペットとしても人気がある。特にアングロサクソン系の人々の間ではピーターラビットのイメージと結びついて子どもたちには大人気だ。だから最近はウサギを食べることに難色を示す人が多くなっている。
もしウサギがペットとして犬や猫並みに愛着の対象になるようであれば、今後その肉を食うことの是非について大きな論争に発展する可能性はある。
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