ロマンス Romance:エドガー・ポーを読む

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エドガー・ポーの詩「ロマンス」Romance(壺齋散人訳)

  詩の言葉 それは心楽しく歌うもの
  翼を畳んで 夢見心地で
  木々の青葉が風に揺れて
  湖の淵に沈みこむように

  それはわたしの愉快な友
  極彩色のインコのように
  アルファベットの言い方や
  数々の言葉を教えてくれる
  森の中で寝そべりながらも
  わたしは好奇心溢れた子どもだった

  やがて青春がやってくると
  天地が逆になる大騒ぎ
  疾風怒濤が渦巻いて
  詩などやってる暇はない
  不安な目で空を眺めているばかり

  たまには時が穏やかな翼で
  わたしの心を和らげてくれた
  だが詩歌管弦で暇をつぶすなど
  まだ許されることではない
  わたしは罪を犯したように感じるのだ
  音楽を聞きながら踊らないなんて


ロマンスという題名はここでは、男女の愛という本来の意味ではなく、詩の営みのことを指している。この詩は1829年に出した第二冊目の詩集 Al Aaraaf の序文として書かれ、後に1831年に出した詩集の序文としても採用された。その性格からして、詩についてのポーの態度のようなものを盛り込んだ作品だ。1843年には独立した詩として発表され、その際にほぼ現在の形になった。


ROMANCE. By Edgar Allan Poe

  ROMANCE, who loves to nod and sing,
  With drowsy head and folded wing,
  Among the green leaves as they shake
  Far down within some shadowy lake,
  To me a painted paroquet
  Hath been -- a most familiar bird --
  Taught me my alphabet to say --
  To lisp my very earliest word
  While in the wild wood I did lie,
  A child -- with a most knowing eye.

  Of late, eternal Condor years
  So shake the very Heaven on high
  With tumult as they thunder by,
  I have no time for idle cares
  Through gazing on the unquiet sky.
  And when an hour with calmer wings
  Its down upon my spirit flings --
  That little time with lyre and rhyme
  To while away -- forbidden things!
  My heart would feel to be a crime
  Unless it trembled with the strings.


関連サイト:英詩と英文学エドガー・ポー






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このページは、が2010年4月10日 18:44に書いたブログ記事です。

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