F-s.S.O-d へ :エドガー・ポーを読む

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エドガー・ポーの詩「F-s.S.O-d へ」(壺齋散人訳)

  愛されたいのなら
  いま歩んでいる道からそれてはならない
  いまのままでいなければならない
  それ以外のものであってはならない
  そうするだけで あなたのやさしさ
  あなたの優美さ あなたの美しさが
  絶えざる賞賛の的となり
  愛されることが当然となりましょう

題名は Frances Sargent Osgood に捧げるという意味だが、この題名には変遷がある。1835年に始めて書いたときには、従妹のエリザベス・へリングに捧げられ、彼女のアルバムの中に書かれた。

ポーはどういうわけか、これを公表するに当たっては、エリザ・ホワイトに捧げることとした。エリザはポーの雇い主であったトーマス・ホワイトの娘で、ポーはヴァージニアとの結婚を考える前に、エリザとの結婚を考えていたふしもある。

1845年に出した詩集の中で、最終的な形になった。フランセス・オズグッドはポーの晩年に登場する何人かの恋人の一人で、ヴァージニアが死んだ後、ポーは彼女との結婚まで考えたほどだが、ポーの異常な性格を知ったフランセスは逃げ去ったということになっている。

なお、ポーは彼女の名を織り込んだ謎解きの詩も書いている。


TO F----s S. O----d.

  THOU wouldst be loved? -- then let thy heart
   From its present pathway part not!
  Being everything which now thou art,
   Be nothing which thou art not.
  So with the world thy gentle ways,
   Thy grace, thy more than beauty,
  Shall be an endless theme of praise,
   And love -- a simple duty.


関連サイト:英詩と英文学エドガー・ポー






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このページは、が2010年5月 8日 17:20に書いたブログ記事です。

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