太陽系の小惑星に水と炭素が存在

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火星と木星との間にある軌道には数多くの小惑星が集まっているが、その中で最も大きい小惑星のひとつテミス(上の映像はその想像図:ナショナルジオグラフィック)に、水と炭素が存在することが確認された。

別々の研究者グループが、NASAの赤外線望遠鏡を用いて、ほぼ同時に確認した。その一方を率いるウンベルト・カンビンス氏は「ひとつの小惑星の中に水の氷と有機物質が存在することを初めて確認した。」といっている。

小惑星は惑星形成の残骸物のようなもので、ほぼ46億年前の状態をそのままに保っていると考えられる。だからその組成を知ることは惑星誕生時の姿を知る上でおおいに参考になる。そこに何故、どのようなメカニズムで、水や有機物質が存在するに到ったか、これが明らかになれば、地球の歴史ももっと解明がすすむだろう。

今回の発見が重要なのは、地球の歴史を解明する上での大きなヒントを与えてくれるからだ。というのも地球上の生命は外部からやってきて地球に衝突した数多くの小惑星がもたらしたものだとする有力な仮説と深い関連があると思われるからだ。

その仮説によれば、原始に存在した地球上の水分は、おそらく熱のエネルギーによって、いったん消滅した可能性が強い。現在の地球上の水分は外部からやってきて次々と地球に衝突した小惑星がもたらしたものであり、そのさいに生命の元となる有機物質も一緒にもたらされた、これら二つの大きな要因が働いて、やがて地球上に生命が誕生したのだ、こう推測されている。

今回の発見を契機に、地球上における生命誕生のプロセスがすこしづつ解明されるのを期待したい。





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このページは、が2010年5月 3日 18:26に書いたブログ記事です。

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