寝不足が健康に良くないことは、だれもが経験的に知っていることだが、それが実際に早死につながっていることが科学的に実証された。イギリス・ウォーリック大学のフランチェスコ・カプッチオ Francesco Cappuccio 氏らの研究グループが、130万人の被験者を対象に数年かけて追跡調査した結果、一日6時間未満しか寝ていないグループは、明らかに早死するリスクが高いという結果が出た。
彼らの早死の原因は、糖尿病、肥満、高血圧、高コレステロールといったものだったが、これらが寝不足によって誘引されていたという。
この結果をもとに、カプッチオ氏は、医師の診断のメルクマールとして睡眠時間のチェックを重視するように呼びかけている。
現代生活は、とかく睡眠時間を縮小させるような方向に向かいがちだ。ネット社会は24時間世界中と結ばれていることもあり、人々の睡眠のパターンを乱す一方、睡眠時間そのものを減らす方向へと働くからだ。
この他、低い所得を補うために、睡眠時間を削って働かねばならない人々も増えている。そのような人々は、睡眠時間を削ることが自分にどんな結果をもたらすか、よく考える必要がある。
ところで睡眠時間は長ければいいというものでもないらしい。カプッチオ氏らの研究によれば、一日9時間以上の睡眠も、早死と強い関連があるというのだ。もっとも、こちらの場合には、長い睡眠時間が体調不良の原因であるというよりも、むしろその結果である可能性のほうが強いと考えられる。(上の写真:AFP提供は、睡眠する人の足をうつしたもの)
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