能「海士」を見て

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NHKの能楽番組が観世流の能「海士」を放送した。この曲は世阿弥以前からある古いもので、謡曲も舞も非常に変化に富んでいて、見所聞き所が多い。そんなわけで能好きにとっては何度見ても見飽きることがない。筆者もまた懲りずに見た口だ。

シテは浅見真洲、ワキは宝生閑。赤頭三段舞と二段返しという小書を採用していた。見所は、前段で海女が海中に潜って龍から珠を奪い取ろうとする場面、後段で竜神が勇壮な舞を舞うところだ。普通後シテは般若の面をかぶって出てくるものだが、ここでは赤頭に男の面をつけて現れた。

番組の中のインタビューで、浅見真洲は、海女の動きにリアリティをもたせたいといっていた。その心意気が伝わったのか、なかなか見ごたえのある演技だった。子方の謡ぶりもよかった。

100分を超える大曲だが、曲の展開に変化があるために、時間を感じさせない。

なお、この曲の解説は他日載せておいたので、興味のある人はそちらを参照願いたい。

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このページは、が2010年5月25日 19:42に書いたブログ記事です。

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