2010年6月アーカイブ

杜甫の五言律詩「樓に登る」(壺齋散人注)

  花近高樓傷客心  花は高樓に近く客心を傷ましむ
  萬方多難此登臨  萬方多難此に登臨す
  錦江春色來天地  錦江の春色天地より來り
  玉壘浮雲變古今  玉壘浮雲古今變ず
  北極朝廷終不改  北極の朝廷終に改まらず
  西山寇盜莫相侵  西山の寇盜相ひ侵すこと莫かれ
  可憐後主還祠廟  憐む可し後主還祠廟
  日暮聊為梁甫吟  日暮聊か為す梁甫の吟

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よくやったといってやりたい、サッカーワールドカップ決勝トーナメントの緒戦でパラグァイを相手に善戦して破れた日本チームに対してである。試合ごとに高まるサッカー熱に浮かされ、深夜まで観戦した筆者のようなものにとっても、この日(6月29-30日にかけて)の日本チームの試合振りは、実にすがすがしいものであった。

作家としての近松門左衛門の生涯は、大きくいって三つの時期に分けられる。古浄瑠璃作者として出発した時期、主に歌舞伎狂言を書いた時期、そして曽根崎心中以降、世話浄瑠璃を始め浄瑠璃に新風を吹き込み、新浄瑠璃の世界を完成させた成熟期から晩年までの時期である。

ジュリアス・シーザー Julius Caesarは、シェイクスピアの作品の中でも、エポックメーキングな位置を占めるものだといえる。

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カナダのムスコカで開かれた G8 サミットに引き続いて、同じカナダのトロントで G20 が開かれた。 G8 では北朝鮮への非難声明などが大きな話題になったが、 G20 のほうは血なまぐさい騒ぎに彩られ、普段は平和なトロントの市民を大いに驚かせた。

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昨年(2009)の8月、台湾南部の高尾県で起きた土砂災害は、いままでの土砂災害の常識を破る桁外れなものだった。この土砂災害で小林村という集落が一瞬のうちに消え、500人が死亡したのだが、この村を飲み込んだ土砂の流れは、いままで観測されたどんな土砂災害とも様相をことにしていたのだ。一言で言えば、この災害は深層崩壊という現象の結果だったのである。

ミュージカル「メリー・ポピンズ」から「踊ろうぜ 調子よく」Step In Time(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  踊ろうぜ
  調子よく
  めいっぱい
  楽しもう
  踊ろう調子よく

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ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」から「チムチムチェリー」Chim Chim Cher-ee(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  チムチムニー チムチムニー チムチーチェリー
  煙突掃除はいい仕事さ
  チムチムニー チムチムニー チムチーチェルー
  あんたと握手はできないけれどね

  キスするのも投げキスで我慢

エドガー・ポーの詩「夢の又夢」A Dream within a Dream(壺齋散人訳)

  あなたの額にわたしのキスを受けて欲しい
  そして あなたと別れるにあたり
  是非ひとこと言わせて欲しい
  たしかにあなたのいうとおり
  わたしの人生は夢だった
  けれど 夜の闇へ 白昼の彼方へ
  幻のように あるいは無となって
  希望が消え去ったからといって
  意味のない夢だったとはいえない
  わたしたちが見たり感じたりしてることも
  所詮は夢のまた夢なのだから

エドガー・ポーの詩「我が母へ」To my Mother(壺齋散人訳)

  わたしは思うのです 天上の天使たちでさえ
  愛について互いにささやきあうときには
  母の愛に勝るほど献身的な愛を
  感じさせる言葉は見つけられないだろうと

朝鮮戦争が勃発して60周年になるのを記念(?)してか、北朝鮮がアメリカに対して65兆ドルの賠償金を支払うように要求した。この要求は朝鮮中央通信を通じてさらりと言及されただけで、その後北朝鮮当局による真剣なフォローアップは見られないが、なぜ今のこの時期に、北朝鮮がこんなわけのわからぬ要求を持ち出したのか、事情通の間でも議論を呼んでいる。

銀河鉄道の旅はジョヴァンニたちにさまざまな眺めと経験をもたらしてくれる。そのひとつひとつが象徴的な意味合いを帯びている。一方銀河鉄道に乗り込んでくるひとびとは、親友のカンパネルラを含めて、みなこの世では死んだ人たちである。彼らは銀河鉄道での旅をしながら、自分がこれから赴き、そこで生きていくべき場所を求めているのだ。

マルスリーヌ・ヴァルモールの詩「もうわからないわ」Je ne sais plus, je ne veux plus(壺齋散人訳)

  もうわからないわ 自分が怒ってる理由が
  あのひとは とぼけてるし
  眼では哀願し 唇では媚をつくる
  そんなのを見ると怒りのやり場がないわ
  もうわからなくなるわ

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この日(日本時間六月二十五日)未明に行われたサッカー・ワールドカップ一次リーグ最終戦でデンマークと対戦した日本は、3-1で勝利を収め、決勝トーナメント進出を決めた。夜明け前の三時過ぎに目を覚ましてテレビ観戦していた筆者にとっては、眠気を吹き飛ばしてくれる勝利だった。

杜甫の五言律詩「牛頭山の亭子に登る」(壺齋散人注)

  路出雙林外  路は雙林の外に出で
  亭窺萬井中  亭は萬井の中を窺ふ
  江城孤照日  江城は孤として日に照らされ
  山谷遠含風  山谷遠た風を含む
  兵革身將老  兵革に身將に老いんとし
  關河信不通  關河 信通ぜず
  猶殘數行淚  猶ほ殘す數行の淚
  忍對百花叢  忍んで對す百花の叢

杜甫の五言律詩「有感五首」(壺齋散人注)

  將帥蒙恩澤  將帥 恩澤を蒙り
  兵戈有歲年  兵戈 歲年有り
  至今勞聖主  今に至るも聖主を勞せしめ
  何以報皇天  何を以てか皇天に報ぜん
  白骨新交戰  白骨 新交戰
  雲台舊拓邊  雲台 舊(もと)邊を拓く
  乘槎斷消息  乘槎 消息斷ゆ
  無處覓張騫  處として張騫を覓むる無し

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先日(6月18日)、アメリカのユタ州で銃殺による死刑が執行されたそうだ。AFPによれば、ロニー・リー・ガードナー死刑囚(49)に対して、5人の銃殺隊がいっせいに射撃し、瞬時に心臓を打ち抜いたという。

近松門左衛門が日本演劇史上の巨星として抜きん出た地位を確保するようになったのは、坪内逍遥の功績によるところが大きい。坪内逍遥はシェイクスピアの研究を進める一方、日本の演劇史の中から近松門左衛門を取り上げ、これをシェイクスピアと比較しながら、彼我の演劇の本質について考究したのだが、これによって近松門左衛門は、日本の演劇を代表する作家として受け取られるようになったのである。

シェイクスピアは劇作品の中にたびたび韻文の詩を挿入しているが、なかでも「お気に召すまま」には多くの詩が挿入されている。オーランドが作ったことになっている下手な恋愛詩を含め、その数は12に上る。会話が主体のこの劇に韻文を多く取り込むことで、劇をいっそう華やかなものにしようとする工夫だったといえる。

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元相場と中国の貿易収支(日本経済新聞)

中国の通貨当局が人民元の対ドルレートの切り上げを事実上容認したことを受けて、週明けの6月21日には早速その効果が現れた。人民銀行がガイドラインとして設定している一日あたり0.5パーセントの上昇幅一杯に、元の対ドルレートが上昇したのだ。今後ともこの傾向が続くのか、またその場合どれくらいの水準にまで元の切り上げが進むのか、見方はさまざまだ。

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NHKの特集番組「日本と朝鮮半島」の第三回「戦争に動員された人々―皇民化政策の時代」が放送された。第二次大戦末期における、日本による朝鮮人の兵力化、労働力化政策の意味を問うた番組である。

M女史からメールがあって、久しぶりにアナゴの仲間たちを集めて一杯やりましょうよということになった。場所は築地場内の「市場の厨房」という店。アナゴの主人S氏の紹介という。そこで勤めがひけた後に、地下鉄に乗って出かけてみた。折から雨がそぼそぼと降っている。どうもこの連中と会うときには雨にたたられることが多いな、もしかしたら雨男あるいは雨女がいるのかな、と思いながら。

ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」から「スーパーカリフラジリスティック」Supercalifragilisticexpialidocious(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  スーパーカリフラジリスティ エクスピアリドーシャス
  なんだかわけのわからない
  言葉に聞こえるけど
  大声で叫べば
  さまになるでしょ
  スーパーカリフラジリスティ エクスピアリドーシャス
  アンディルディルディル アンディルライ
  アンディルディルディル アンディルライ

ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」から「一さじのお砂糖」A Spoonful Of Sugar(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  一さじのお砂糖を一緒に飲めば
  お薬だって
  簡単に飲める
  一さじのお砂糖を一緒に飲めば
  お薬だって飲めるよ

ワールド・カップ一次リーグ第二戦で、日本はオランダ相手に善戦したが、惜しくも1-0で敗れた。この結果をどうみるかは、論者によってさまざまだろうが、筆者などは、日本は内容の濃い、いい試合を展開したと評価したい。

エドガー・ポーの詩「アナベル・リー」Annabel Lee(壺齋散人訳)

  それはそれは昔のこと
  海際の王国に
  ひとりの乙女が住んでいた
  その名はアナベル・リー
  彼女はただひたすらに生きていた
  わたしを愛し愛されるために

エドガー・ポーの詩「ヘレン」To Helen(壺齋散人訳)

  あなたとはただ一度お会いした
  そう遠くない過去に
  あれは七月の真夜中だった
  満月があなたの心のように
  天空の軌道をさまよい歩き
  銀色のヴェールのような光を
  沈黙と炎熱と無気力とをともないつつ
  バラたちの仰向いた顔に注ぎかけた

幸若舞の一派である大頭流の舞が、福岡県の大江地方に伝わることについては、別稿で述べたとおりであるが、このたびその実際の模様を保存した映像を、ネット上に発見した。(ここをクリック

「銀河鉄道の夜」には、宮沢賢治が生涯をかけて追求したテーマに対する一定の回答が込められている。賢治が追求したテーマは、微細に分類すると多くの枝に分かれるが、幹ともいうべき部分は、魂の永遠性ということだ。

マルスリーヌ・ヴァルモールの詩「初恋」Le Premier Amour(壺齋散人訳)

  あなたは覚えているかしら あの
  やさしい瞳をした 物腰さやかな乙女のことを?
  まだ青春を迎えたばかりというのに
  あの子はあなたに夢中になったのよ

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サッカーのワールドカップはそのたびごとに感動的な讃歌を生み出してきた。今回も、FIFA自らOfficial Anthemを制定して、その普及を図っているようだが、どうもいまひとつといったところのようだ。(少なくとも日本では)

杜甫の七言律詩「官軍の河南河北を收むるを聞く」(壺齋散人注)

  劍外忽傳收薊北  劍外忽ち傳ふ薊北を收むと
  初聞涕淚滿衣裳  初めて聞いて涕淚衣裳に滿つ
  卻看妻子愁何在  卻って妻子を看れば愁ひ何くにか在る
  漫捲詩書喜欲狂  漫に詩書に捲んで喜びて狂はんと欲す
  白日放歌須縱酒  白日放歌して須く酒を縱にすべし
  青春作伴好還鄉  青春伴を作して好し鄉に還らん
  即從巴峽穿巫峽  即ち巴峽より巫峽を穿ち
  便下襄陽向洛陽  便ち襄陽に下って洛陽に向かはん

杜甫の七言律詩「野望」(壺齋散人注)

  西山白雪三城戍  西山の白雪三城の戍り
  南浦清江萬裡橋  南浦清江の萬裡橋
  海內風塵諸弟隔  海內の風塵に諸弟隔たり
  天涯涕淚一身遙  天涯涕淚一身遙かなり
  惟將遲暮供多病  惟だ遲暮を將て多病に供し 
  未有涓埃答聖朝  未だ涓埃の聖朝に答ふる有らず
  跨馬出郊時極目  馬に跨がり郊を出で時に目を極めれば
  不堪人事日蕭條  堪へず人事の日々に蕭條たるに

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サッカー・ワールドカップ・南アフリカ大会で、日本がカメルーンを破って緒戦を飾った。試合は日本時間の十四日午後十一時から始まったので、見ていた人も多かっただろう。ワントップに起用されていた本田選手が、右手からのロングパスにうまく反応してシュートを決め(上の写真:AP提供)、これが決勝点になった。

金平浄瑠璃

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金平浄瑠璃とは明暦末年(1658)から寛文年間(1661-1672)にかけて流行した古浄瑠璃の一群である。わずか十数年で観客から飽きられて、歴史の舞台から消え去ってしまったが、いろいろな意味で、浄瑠璃の歴史を大きく変えた。一言で言えば、古浄瑠璃から新浄瑠璃への橋渡しを行うにあたって、大きな役割を果たしたのである。

アーデンの森に住む羊飼いの男女、シルヴィウスとフィービーの物語は、「お気に召すまま」という劇のサブ・プロットとして、劇の進行にちょっとした色彩感を付与している。彼らも最後にはめでたく結ばれ、結婚の祝祭劇としてのこの喜劇を守り立てる役割を果たすのだ。

松代に大本営が造営されたのは大戦末期の1944年11月以降のこと、終戦によって工事が中断されたため、結局大本営として使われることは一度も無く、歴史の遺物としてひとびとの心の片隅にのこるだけとなった。そんな遺物を、先日筆者の知人が訪れて、大変な迫力を感じたと話してくれたので、今回別の仲間と松代を訪ねることとなった際には、真っ先に寄って見たいと思った次第だった。

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松代と聞いて最初に思い浮かんだのは、終戦末期に突貫工事で作られたという大本営のことくらいで、ほかのことはほとんど何も思い浮かばなかったが、実際にたずねて見ると、大本営は別にして、町本体にも魅力があることがわかった。

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山・落・松の諸子と北信へ小さなドライブ旅行をした。小布施、松代といった古い街並みを散策し、かつ湯田中温泉でのんびり湯を楽しもうというものである。いつものとおり松子の運転で、集合場所の新宿から関越道、上信越道を経て小布施へ向かった。

杜甫の七言絶句「漫興九首其四」(壺齋散人注)

  二月已破三月來  二月已に破れて三月來る
  漸老逢春能幾回  漸く老いて春に逢ふこと能く幾回ぞ
  莫思身外無窮事  思ふ莫かれ身外無窮の事
  且盡生前有限杯  且く盡くせ生前有限の杯

杜甫の七言律詩「惜しむべし」(壺齋散人)

  花飛有底急  花の飛ぶこと底(なん)の急か有る
  老去願春遲  老い去っては春の遲きことを願ふ
  可惜歡娛地  惜しむべし歡娛の地
  都非少壯時  都て少壯の時に非ず
  寬心應是酒  心を寛うするは應に是れ酒なるべし
  遣興莫過詩  興を遣るは詩に過ぐるは莫し
  此意陶潛解  此の意陶潛解す
  吾生後汝期  吾が生汝が期に後れり

浄瑠璃が人形遣いと結びついて操り浄瑠璃となり、ひとつの盛期を迎えたのは慶長年間のことである。その折の様子を「東海道名所記」が次のように書いている。

シェイクスピアの喜劇には、道化あるいは道化的人物がつきものだ。初期の作品の中でこの道化性をもっともよく体現していたのはフォールスタッフだった。タッチストーンはフォールスタッフのもっていた道化的性格をもっと純化した人格だといえる。彼は最初からひとびとに道化といわれながら登場する。実際の身分も公爵に召し使われる道化なのだ。

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4月22日に始まったメキシコ湾の原油流出は一ヶ月半たった現在でもとまらず、毎日膨大な原油が海中に噴き上げられている。流出した原油はフロリダやルイジアナなど4州の沿岸に漂着し、海洋生物などの生態系や水産資源に深刻なダメージをもたらしている。

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NASAからの委託契約を受けて宇宙船の開発に取り組んでいた米企業 SpaceX 社が、昨日(6月4日)、宇宙船を積んだロケットの打ち上げに、民間企業としては世界で初めて成功した。(上の写真:AFP提供)関係者の間では、宇宙開発の歴史にとって画期的な出来事になるだろうと評価されている。

ミュージカル映画「雨に歌えば」I'm singing in the rainの主題歌(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  雨にぬれて
  歌を歌えば
  心の中は
  すっきりするんだ
  黒い雲に
  笑いかければ
  心に太陽
  恋する気分さ
  雲なんかへっちゃら
  どうってことないさ
  雨にぬれても
  笑顔でいられる
  足取り軽く
  道を歩こう
  歌いながら
  雨にぬれて

ミュージカル映画「アニーよ銃を取れ」から「ショーほど素敵な商売はない 」Theres No Business Like Show Business(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  ショーほど素敵な
  商売はないわ
  何もかも魅力的
  すること なすこと
  要領さえよければ
  幸せでいられるわ

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水彩画の場合には、白く現したい部分は、その部分を絵の具で塗らずに紙の肌地を残すことで表現する。ハイライトの部分などは特にそうだ。そうすることによって、透明絵の具の特性を生かした表現ができる。

エドガー・ポーの詩「ベル」The Bells(壺齋散人訳)

  そりは鳴らす鈴の音
  銀の鈴
  喜びの世界からやってきた音!
  リンリンリンと鈴が鳴る
  冷たい夜をつんざいて!
  夜空いっぱいに散らばった
  星また星が輝くよ
  水晶のきらめきのように
  ゆったりとした時の流れを
  ルーンの調べに閉じ込めて
  妙なる響きを撒き散らすよ
  リンリンリンリンと鈴が鳴る
  鈴が鳴る
  ジングル ティンクル 鈴が鳴る

エドガー・ポーの詩「黄金郷」Eldorado(壺齋散人訳)

  派手ななりをした
  勇ましい騎士が
  晴の日も曇りの日も
  長い旅を続けていた
  歌を歌いながら
  黄金郷を求めて

  どっどど どどうど どどうど どどう
  青いくるみも吹きとばせ
  すっぱいかりんも吹きとばせ
  どっどど どどうど どどうど どどう

宮沢賢治の童話「風の又三郎」は、このような印象的な擬音語で始まる。言葉のリズムから容易に連想されるとおり、これは風の音を模したものだ。しかも烈しく吹いて、くるみやかりんの実を吹き飛ばし、通り過ぎた後に不思議な記憶を残すような風、この童話はそんな風のような少年をめぐる、遠い昔の甘い記憶のような物語なのだ。

マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモールの詩「思い出」Souvenir(壺齋散人訳)

  ある夜 色青ざめて声を震わしながら
  あのひとが言いかけた言葉を飲み込んだときも
  燃えるようなまなじりを吊り上げて
  あのひとの眼がわたしを鋭く見据えたときも
  決して消えることのない炎に照らされた
  あのひとの苦しそうな表情が
  わたしの心の底にくっきりと刻まれたときにも
  あのひとはわたしを愛していなかった
  わたしはあのひとを愛していたのに

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無覚先生:鳩山首相の辞任が伝えられて波紋を呼んでいるね。「とうとう」という反響と、「おや」という反響と、両方あるようだ。参議院選挙を目前に控えて、時期が時期だけにいろいろな憶測を呼んでいる。お二人はどのように受け取りましたか。

杜甫の七言律詩「江亭」(壺齋散人注)

  坦腹江亭臥  腹を坦いで江亭に臥し
  長吟野望時  長吟す野望の時
  水流心不競  水流れて心競はず
  雲在意俱遲  雲在りて意俱に遲し
  寂寂春將晚  寂寂として春將に晚れんとし
  欣欣物自私  欣欣として物自ら私す
  故林歸未得  故林歸ること未だ得ず
  排悶強裁詩  悶を排して強く詩を裁せん

杜甫の七言律詩「春夜に雨を喜ぶ」(壺齋散人注)

  好雨知時節  好雨時節を知り
  當春乃發生  春に當って乃ち發生す
  隨風潛入夜  風に隨って潛んで夜に入り
  潤物細無聲  物を潤して細やかにして聲無し
  野徑雲俱黑  野徑雲俱に黑く
  江船火獨明  江船火獨り明らかなり
  曉看紅濕處  曉に紅濕ふ處を看れば
  花重錦官城  花は重し錦官城

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ハワイでは来年の7月からフカヒレの料理が食えなくなる。州法によって、フカヒレを所有すること自体禁止されるので、売ったり買ったり、また食堂のメニューに加えることができなくなるためだ。法令に違反したものは、初犯で5000-15000ドルの罰金が科せられ、三度目の違反には35000-50000ドルの罰金のほか1年間の禁固刑を課せられる。

浄瑠璃の歴史が浄瑠璃御前物語というものから始まったことはほぼ定説となっている。この物語は東海道の宿場を舞台に展開されたもので、宿場の遊君と義経との恋をテーマにしたシンプルな物語だ。



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