もうわからないわ Je ne sais plus, je ne veux plus:マルスリーヌ・ヴァルモール

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マルスリーヌ・ヴァルモールの詩「もうわからないわ」Je ne sais plus, je ne veux plus(壺齋散人訳)

  もうわからないわ 自分が怒ってる理由が
  あのひとは とぼけてるし
  眼では哀願し 唇では媚をつくる
  そんなのを見ると怒りのやり場がないわ
  もうわからなくなるわ

  もういやだわ 愛するひとのそんなまなざしを見るのは
  だってその眼でわたしの涙を笑ったのだもの
  あのひとがどんなことをして
  わたしの愛を取り戻そうとしても無駄
  もういやだわ

  もうわからないわ いつこうなってしまったのか
  どんな誓いももう無駄になってしまった
  でもあのひとがいなくても耐えられるだろうか
  あのひとがいなくてもほんとに耐えられるだろうか
  もうわからなくなるわ


マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモールの愛は、常に緊張感をはらんだものだった。彼女はどんな恋人との間でも、平安で永続する関係を築けなかった。愛の幸福の絶頂にあるときでも、もしかしたらその愛がすぐ壊れてしまうのではないかとの、不安にさいなまれていたのである。


Je ne sais plus, je ne veux plus Par Marceline Desbordes Valmore

  Je ne sais plus d'où naissait ma colère ;
  Il a parlé... ses torts sont disparus ;
  Ses yeux priaient, sa bouche voulait plaire :
  Où fuyais-tu, ma timide colère ?
  Je ne sais plus.

  Je ne veux plus regarder ce que j'aime ;
  Dès qu'il sourit tous mes pleurs sont perdus ;
  En vain, par force ou par douceur suprême,
  L'amour et lui veulent encor que j'aime ;
  Je ne veux plus.

  Je ne sais plus le fuir en son absence,
  Tous mes serments alors sont superflus.
  Sans me trahir, j'ai bravé sa présence ;
  Mais sans mourir supporter son absence,
  Je ne sais plus !


関連サイト:フランス文学と詩の世界 マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモール





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