メキシコ湾の原油流出:生態系への深刻なダメージ

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4月22日に始まったメキシコ湾の原油流出は一ヶ月半たった現在でもとまらず、毎日膨大な原油が海中に噴き上げられている。流出した原油はフロリダやルイジアナなど4州の沿岸に漂着し、海洋生物などの生態系や水産資源に深刻なダメージをもたらしている。

上の写真(AP提供)は、油が付きまとって動きが取れなくなったブラウン・ペリカン。このような光景が、メキシコ湾沿岸部で多数目撃されるようになり、この問題の深刻さが、改めて浮き彫りになっている。

オバマ大統領も、事態の深刻さに驚いて、政府としてあらゆる手立てを講ずるとアピールした。数年前メキシコ湾を襲ったハリケーン、カテリーナへの対応をめぐって後手にまわったブッシュが国民から強い不信感を突きつけられたことの、轍を踏むまいという決意のようだ。

この事故を引き起こしたのはイギリス系の石油メジャー、ブリティッシュ・ペトロレアム BP だ。4月20日に海上の石油掘削施設が大爆発し、それに続いて沈没していった施設の底から大量の原油がもれ出てきた。その量は日量数千キロリットルというから、過去最大規模のものだ。

BPは当初もれ出た原油を回収することで、事態の深刻化を食い止めようとしたが、その成果はほとんどいうに足りない。流出が拡大して、海洋汚染は深刻なレベルへと発展した。

そこでBPは、流出口の部分に蓋をする措置を考えたが、これが実現するのは8月のことだというから、それまで流出はとまらないということになる。海底深いところでの事故だけに、対応にはかなりの難しさがあるらしい。

こうしたBP の対応の生ぬるさに、オバマ大統領は怒り心頭になっているそうだ。なにしろ外国の企業が自分の家の庭を台無しにして、大して反省もしていない様子なら、どんなお人よしでも頭にくるところだろう。





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このページは、が2010年6月 8日 19:18に書いたブログ記事です。

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