白鵬関の涙

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度重なる不祥事のために異例づくめとなった大相撲名古屋場所、優勝したのは横綱白鵬関、それも三場所連続全勝優勝、しかも大鵬の記録を破って歴代二位の47連勝というおまけつきだ。その白鵬を土俵で待っていたのは紫の優勝旗のみ、賜杯は協会が辞退していたため登場しなかった。

土俵上で優勝旗を手にした白鵬関の目には涙が光っていた(上の写真:時事通信提供)。白鵬関はどんな気持ちでその涙を流したのだろうか。本人は後で、何から何まで普段とは違っていたので、自然と涙が出たといっていたが、それは大記録を達成した喜びに、相撲というものが置かれている今日の困難な状況とが入り混じって、横綱の責任意識に訴えた結果だったのかもしれない。

とにかく今場所の大相撲は異例という言葉では収まりきれない混乱の中に終始した。スキャンダルに関わった多くの力士が出場停止となり、NHKによる中継放送も中止された。そればかりか開催そのものさえ見送られる可能性があったくらいだ。

やはり今回の一連の不祥事によってあぶりだされた相撲協会の旧い体質への批判が、それだけ大きかったことを反映している。しかも場所中にも新たなスキャンダルが追い討ちをかけ、熱心な相撲ファンでさえあきれはてるような体たらくを示した。

相撲協会はいったいどうなっているんだ。いまや国民のだれもがそう感じている。相撲協会は自ら生まれ変わるくらいの気持ちで、こうした国民の不信に答えなければ、繁栄どころか、生き残ることさえ危ぶまれるといってよい。

がけっぷちに立たされている相撲協会にとって、白鵬関の大記録は、国民の相撲への思いをもう一度掻き立てるうえで大きな効果を持つに違いない。この記録をきっかけにして、相撲人気を再び取り戻すためには、協会は自らに血の滲むような努力を課さねばならぬだろう。

相撲協会は、白鵬関の流した涙を、無駄にしてはならない。





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