女心 The Heart of the Woman:イェイツの詩

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イェイツの詩集「葦を吹き渡る風」から「女心」The Heart of the Woman(壺齋散人訳)

  わたしにはなんと小さな部屋だったでしょう
  そこにはお祈りする人と安らう人が溢れていた
  それであの人は物陰にわたしを連れて行って
  自分の胸にわたしを抱いてくれたのだわ

  そこにはお母さんから受けたような
  安心感と暖かさがあった
  わたしの髪の毛ほどのちっぽけなものだけど
  わたしたちを世間の嵐から守ってくれた

  この隠れ家とやさしい目に守られ
  わたしは何も気にせずにいられた
  わたしたちの心同士がふれあい
  息と息が溶け合っていたから


この詩は女性の立場になって、男女の愛の姿を歌ったものだろう。やさしさに包まれていたら、どんな場所も天国になれる。


The Heart of the Woman

  O WHAT to me the little room
  That was brimmed up with prayer and rest;
  He bade me out into the gloom,
  And my breast lies upon his breast.

  O what to me my mother's care,
  The house where I was safe and warm;
  The shadowy blossom of my hair
  Will hide us from the bitter storm.

  O hiding hair and dewy eyes,
  I am no more with life and death,
  My heart upon his warm heart lies,
  My breath is mixed into his breath.


関連サイト: イェイツ:詩の翻訳と解説





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