巨大な磁場を持つ中性子星 Magnetar

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南天の銀河の一角、祭壇座の中に、巨大な磁場を持つ中性子星 Magnetar の集団が発見されたのは1961年、発見者の名にちなんで Westerlund 1 となずけられたこの天体は、太陽の数千倍の直径を持ち、太陽より100万倍も明るい星が数百個も集まっている。350万年から500万年前に形成され、いまでも進化の途上に在ることから、変った出来事が多く観測されることで有名だ。

なかでも天文学者が首をひねっているのは質量の巨大さだ。ここには、太陽の質量の40倍もの巨大な中性子星があることが確認されている。

これまでの常識では、中性子星になる条件は、質量が太陽の10倍から25倍の場合である。25倍を超えると、ブラック・ホールになるはずだ、質量が余りにも巨大すぎる結果、光でも出て来られないようなすさまじい重力が働くからだ。

何故こんなに巨大な質量を持ちながらブラック・ホールにならず、中性子星として生きていられるのか。この疑問に答えようとして、さまざまな仮説が出されている。

バイナリー理論というのは、その最も有力な仮説らしい。これは星の双生児理論とも言うべきもので、星が形成されるさいには、一つ一つの星がばらばらに生まれるのではなく、かならず二つセットで生まれるというものだ。それが何故、巨大な質量をもつ中性子星を誕生させるにいたるのか、筆者のような門外漢にはよくわからないところが多いが、貧しいながらも想像力を掻き立ててくれる。(上の写真はAP提供)


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