サアディのバラ Les roses de Saadi :マルスリーヌ・ヴァルモール

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マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモールの詩「サアディのバラ」Les roses de Saadi(壺齋散人訳)

  今朝あなたにバラの花を届けようとして
  ドレスの帯にいっぱい差し込んでみたら
  結び目がはちきれそうになってしまいました

  結び目ははちきれて バラの花は飛び去り
  風に乗って海のほうへ行ってしまいました
  そして波に乗って流れ去り戻ってはきませんでした

  波はバラの色に赤く染まり燃えてるようでした
  わたしのドレスにはまだバラの匂いが残っています
  その思い出の匂いを嗅ぎ取ってみませんか


マルスリーヌの恋の歌の中でも最も有名なもののひとつ。恋人に送ったバラの花束が喜びではちきれて、世の中を染め、香りで満たすという発想は、若い女性にふさわしいあでやかな印象に満ちている。


Les roses de Saadi Par Marceline Desbordes Valmore

  J'ai voulu ce matin te rapporter des roses ;
  Mais j'en avais tant pris dans mes ceintures closes
  Que les noeuds trop serrés n'ont pu les contenir.

  Les noeuds ont éclaté. Les roses envolées
  Dans le vent, à la mer s'en sont toutes allées.
  Elles ont suivi l'eau pour ne plus revenir ;

  La vague en a paru rouge et comme enflammée.
  Ce soir, ma robe encore en est tout embaumée...
  Respires-en sur moi l'odorant souvenir.


関連サイト:フランス文学と詩の世界 マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモール





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このページは、が2010年9月10日 22:00に書いたブログ記事です。

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