詠懐其三:杜甫を読む

| コメント(0) | トラックバック(0)

杜甫の七言絶句「詠懐其三」(壺齋散人注)

  群山萬壑赴荊門  群山萬壑荊門に赴く
  生長明妃尚有村  明妃を生長す村有り
  一去紫台連朔漠  一たび紫台を去って朔漠に連なり
  獨留青塚向黃昏  獨り青塚を留めて黃昏に向ふ
  畫圖省識春風面  畫圖省識す春風の面
  環佩空歸月夜魂  環佩空しく歸る月夜の魂
  千載琵琶作胡語  千載琵琶胡語を作す
  分明怨恨曲中論  怨恨を分明して曲中に論ず

群山萬壑が荊門に連なっている、ここに王昭君が育ったという村がある、彼女はひとたび紫台を去って西域へ嫁入りし、いまは黄昏の中に青塚を留めるばかり

画工が彼女の顔をわざと醜く描いたのだ、そのため西域に行く運命となって魂だけが帰ってきた、その後千年もの間琵琶は胡の言葉で彼女のことを語り、その恨みをつぶさに歌っているのだ


王昭君の生まれた村について述べる、後出の負薪行と同じテーマを歌ったものといえる。

関連サイト: 杜甫:漢詩の注釈と解説





≪ 詠懐其二:杜甫を読む | 漢詩と中国文化 | 詠懐其四:杜甫を読む ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2563

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2010年9月16日 18:52に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「詠懐其二:杜甫を読む」です。

次のブログ記事は「日本の為替介入は効を奏するか」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。