フランクフルト空港:パリ紀行その十八

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四時半頃フランクフルト空港に到着す。早速トイレに入るに、小便器の設置位置日本人にも使ひやすき高さにあり。パリのトイレはいづこにても、小便器の位置日本のそれよりはるかに高し、よって余などは陰茎の先を高くつまみ上げずんば用を足さず、たびたび不便を感ぜしところなりき。ドイツ人はフランス人より長身なるにかかはらず、小便器の位置を低くするは、深き思慮に出でたるといふべきか、余妙なところに感心せり。

ここにてトランジットの手続きをなすべけれど、空港内何らの表示なし、よって空港職員を捕まへて、東京へ行くために乗り換へをなすための手続如何と問ふ、職員答へて曰く、いったん外へ出て、チェックイン・カウンターを訪ねよと、余その指示に従って出発ロビーに赴くに、面積膨大にして日本航空のカウンターを見出せず、再び空港職員を捕まへて、つひに用を足せり

トランジット便は日本航空四〇八便にて、出発までは四時間もあり。その間町中へ出かけんとも思ひたれど、大事を考へて空港内にて待つこととす。

六時過、空港内のカフェにて夕餉をなす。ワインとスパゲッティを注文するに、ワインは三ウロ五〇セント、スパゲッティは八ウロ五〇セントなり。パリの空港に比すれば安価なり。とにかくパリはいづこにてもビールが高価なり、概ね九ウロを下ることあらざりき。

またスパゲッティの味も、日本人の口にあひたり。パリに比すれば水気が豊かなるためなり。パリの食事は水気少なく、パサパサトした食感のもの多かりき、余の口にはあはざりき。

食後免税店にて買物をなしをるに、突然店の閉鎖を告げられ、外へ出るように告げらる。警察官あまた集まり来りて、店の前にロープを張り、人をしてそのうちに入れしめず、我が搭乗口はそのロープの先にあり、ロープを渉らずんば予定の飛行機に乗ることを得ざるなり

余自らの事情を説明して是非ロープの先に行くことを許されよと訴ふ、警察官頑として応ぜず、余は途方に暮れたり、

そのうち、ドイツ人と思しき大男ありて警察官と交渉を始めたり、そのドイツ人も余と同じ事情を抱へをるなり、ところがその男に対して、警察官は迂回路存在するゆえそれを通りて目的の搭乗口に至るべしと告ぐ、ドイツ人喜びてその方向に走る、余もまたそのドイツ人に従って迂回路を通らんと決意せり

しかしてドイツ人を追ひかけて空港内を右往左往すること暫時、やうやく目的の搭乗口に達することを得て、ひと安堵、されどその頃には立ち入り禁止の措置も解かれたりと思しく、同乗の客続々と搭乗口に集結しつつありき

飛行機は午後九時五分に離陸す、十時過ぎに夕食、十一時頃就眠、朝方六時(日本時間午後一時)に目覚むれば、飛行機は時にハバロフスク上空なり。

日本時間午後三時半頃、成田空港に到着せり。


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このページは、が2010年10月24日 19:32に書いたブログ記事です。

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