クレージー・ジェーン神を語る Crazy Jane On God:イェイツの詩を読む

| コメント(0) | トラックバック(0)

イェイツの詩集「音楽のために」から「クレージー・ジェーン神を語る」Crazy Jane On God(壺齋散人訳)

  あいつは夜が好きだった
  気が向くとやってきて
  朝になると去っていった
  あたしの都合にお構いなく
  男たちも入れ替わりやってきた
  これもみな神様の思し召し

  旗が空一杯にはためいて
  武装した兵士たちがいく
  馬も一緒になっていななく
  この狭い小道では
  かつて大きな戦いがなされた
  これもみな神様の思し召し

  兵士たちの目の前には
  一軒の家がたっている
  誰もすまない廃墟だけれど
  ドアから天上までいたるところ
  突然灯りがともされた
  これもみな神様の思し召し

  ジャックはあたしの情夫だった
  そのあたしは天下の大道
  いろんな男が通り過ぎた
  あたしのからだはうめきもせずに
  そのたびに歌い続けたんだ
  これもみな神様の思し召し


クレージー・ジェーンが自分の生涯を振り返って歌ったもの。娼婦だった彼女には多くの男が通りすぎたが、その中でジャックだけは特別の男だった。


Crazy Jane On God

  That lover of a night
  Came when he would,
  Went in the dawning light
  Whether I would or no;
  Men come, men go;
  All things remain in God.

  Banners choke the sky;
  Men-at-arms tread;
  Armoured horses neigh
  Where the great battle was
  In the narrow pass:
  All things remain in God.

  Before their eyes a house
  That from childhood stood
  Uninhabited, ruinous,
  Suddenly lit up
  From door to top:
  All things remain in God.

  I had wild Jack for a lover;
  Though like a road
  That men pass over
  My body makes no moan
  But sings on:
  All things remain in God.


関連サイト: イェイツ:詩の翻訳と解説





≪ クレージー・ジェーンと旅人ジャック Crazy Jane And Jack The Journeyman:イェイツの詩を読む | 英詩のリズム | クレージー・ジェーン司教と語る Crazy Jane Talks With The Bishop:イェイツの詩 ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2668

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2010年11月 7日 17:07に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ロシアの法治主義:ホドルコフスキー裁判の行方」です。

次のブログ記事は「クレージー・ジェーン司教と語る Crazy Jane Talks With The Bishop:イェイツの詩」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。