ブラック・ホールの誕生 SN1979C

| コメント(0) | トラックバック(0)

101135.black-hall.jpg

アメリカ、メリーランド州の学校教師が1979年に観察した超新星爆発は、新しいブラックホールを誕生させていた、こんな事実が最近、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)などの研究チームによって確認された。

研究チームの観察によれば、この超新星SN1979Cの残骸には、ある特別の質量空間があって、それが周囲の物体を猛烈な勢いで飲み込んでいる。これまでの観察結果では、この空間が飲み込んだ物質の質量はほぼ地球の質量に匹敵するという。こんな大量の質量を飲み込むのはブラック・ホールのほかには考えられないところから、新しく誕生したブラックホールであることが確認されたわけである。

この発見によって、我々人類は始めて、ブラックホールの誕生現場に立ち会っていたということになる。今後この発見を足がかりに、ブラックホールについての科学的な研究が飛躍的に進むと期待される。

なお、このブラックホールは太陽のほぼ5倍の質量を持ち、また、この超新星爆発を引き起こしたもともとの星は、太陽の20倍以上の質量を持っていた。だいたいこれまでのブラックホール理論を支持する数値だ。

上の写真はこのブラックホールが存在するM100星雲のイメージ、地球から5000万光年離れている:チャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)と欧州南天天文台(European Southern Observatory、ESO)の大型望遠鏡VLTのデータを合成して作成された。


関連記事:
巨大な磁場を持つ中性子星 Magnetar
宇宙は神が作ったのではない:ホーキング Hawking
天の川銀河の中心部にガンマ線の泡
巨大な星の爆発を確認:観測史上最古のガンマ線バースト Gumma Ray Burst
極超新星爆発の謎





≪ 天の川銀河の中心部にガンマ線の泡 | 地球と宇宙の科学 | はやぶさが解き明かす小惑星の謎 ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2713

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2010年11月27日 18:05に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「おてんばな子馬 Odelette à une jeune maîtresse:ロンサールのオード」です。

次のブログ記事は「カトゥィンの森の虐殺 Katyn Forest Massacre:ロシア議会がスターリンの関与を認める」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。