画面の裏側から生きた女の悲鳴が聞こえてくるような錯覚にとらわれる。
この写真(ロイター提供)は、北朝鮮のヨンビョン島砲撃で殺された二人の民間人の合同葬儀での一齣だ。泣いているのは被害者の妻、手を添えて慰めているのは被害者の肉親だ。
韓国の人びとは、多くの日本人とは異なり、激しい感情をそのままに表出することが多い。とりわけ肉親の死に際しては、大声を上げ、体を震わせながら、慟哭する。
慟哭とは身体全体で激しく泣くことをいう。
日本人はもともとそんなパフォーマンスとはなじみが薄いが、それでも隣人が慟哭しているのを見れば、心を動かされるものだ。
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