空飛ぶ吸血ガエル Vampire Flying Frog がベトナム南部の雲霧林の中で見つかったそうだ。(写真:ナショナルジオグラフィック)名前から推測されるように、空を飛ぶということと、吸血鬼であるということの二つの特徴を有している。
まず空を飛ぶことに関しては、写真からわかるとおり大きな水かきを持っていて、それをグライダーの羽のように広げて、木から木へと飛ぶのだそうだ。というのも、普通のカエルは水の中で一生を過ごすのに、このカエルは樹上生活者なのである。
このカエルは木の枝の水溜りに卵を産む。水の中では、おたまじゃくしが他の生き物に狙われるから、そのほうが都合がいいのだろう。おたまじゃくしからカエルに成長しても、そのまま木の上で生活し続ける。だから空を飛べることは、必要な能力なのだ。
次に、このカエルは、おたまじゃくし時代に一対の牙が生える。その様子を顕微鏡で見た研究者が、まるで吸血鬼のようだと思ったところから、それが名前の一部になったらしい。
吸血鬼といっても、実際に血を吸うわけではないようだ。このカエルは、未受精卵をおたまじゃくしに食べさせる習性があるが、そのさい卵の殻を割って、中身を食べやすくするために、牙が生えてきたようなのだ。
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