鉄器時代の少女 モーラ

| コメント(0) | トラックバック(0)

110209.moora.jpg

鉄器時代の少女の顔(上の写真:ナショナル・ジオグラフィック)が、最新のデジタル技術を用いて再現された。少女の名前はモーラ、紀元前650年頃に、ドイツ北部のニーダーザクセン州あたりで暮らしていた。

モーラの遺骨が発見されたのは2000年、泥炭湿地からだった。発見当初は、1969年に失踪した当時16歳の少女の骨ではないかと疑われたが、その後の調査の結果、母親のDNAと一致せず、別人のものだとわかった。

古代人の骨だと判定されたのは2005年のことだ。第一発見者のウフター・モーア(Uchter Moor)さんの名前をとって、モーラと名づけられた。

モーラの頭蓋骨は、泥炭の採掘機によってバラバラにされていたが、それを再現して5種類の顔の模型が作られた。一つ一つは異なった表情をしているが、顔の輪郭などの基本的な特徴は共通しているという。

なおモーラの頭蓋骨には生前にできたとおもわれる傷があり、栄養失調の痕跡が認められるほか、背骨が曲がっているなど、過酷な生涯だったことをうかがわせる。

彼女が生きていた時代には、死者は仮装されるのが普通で、土葬は珍しいという。宝飾品など葬儀の際の副葬品も見つかっていないことから、彼女は正式に葬られることがなかった可能性もある。

いずれにせよ、あまり幸福な生涯だったとはいえないようだ。


関連記事:
人間と類人猿共通の祖先:4700万年前に生きていたアイダ
アルディピテクスのアルディ:人類最古の祖先
ネアンデルタール人の一部はホモサピエンスと交雑していた
ルーシーの祖先か?360万年前のアウストラロピテクス・アファレンシス





≪ 妊娠中もセックスOK | 人間の科学 | アイスマン(Iceman)の顔を復元 ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2901

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2011年2月 8日 22:04に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「女、醫師の家に行き瘡を治して逃ぐる語 巻二四第八」です。

次のブログ記事は「初發嘉州 蘇軾 」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。