3月11日に東日本を襲撃した巨大地震は、当初、東北大地震などと呼ばれていたが、その範囲の大きさと被災規模の巨大さから、東日本大震災などと呼びかえられている。
時間を追うにつれて、被害の状態が少しずつわかるようになり、翌々日(13日)朝の段階では、1000人を超える死者が確認され、行方不明者はそれ超える数になると予想されている。家屋などの物的な被害についても、想定を絶する甚大な規模になることは間違いない。
この地震は、東北地方の東側の海底にある断層が破壊されたことによって引き起こされたものだ。断層の規模は数百キロといい、北海道沖から関東地方の沖へかけて伸びていることから、地震の影響も広範囲にわたった。
この地震のエネルギー量は、マグニチュード8.8という。これは7.9を記録した関東大震災の数倍の規模であり、また世界の地震史上最大の規模といわれるインドネシア・スマトラ沖地震の9.1に迫るほどの甚大なものだ。
今のところ、地震の揺れで起こった被害の詳細は全くつかめていない。
地震の揺れ以上に大きな被害をもたらしたのは、最初の揺れから間もなくして起こった津波だ。一説では10メートルにも達したといわれる巨大津波が、岩手、宮城、福島の沿岸部を直撃した。人的被害の大部分は、この津波によるものと推測される。
上の写真(共同通信)でも見られるように、市街地がまるごと津波に呑み込まれたところもある。陸前高田市、女川町、南三陸町などがそれで、南三陸町は市街地全体が津波に呑み込まれ、1万7000人の住民の大部分が被災した。いまでも1万人以上の人の安否が確認できていない状況だ。
地元自治体の建物が被災したり自治体職員そのものが行方不明になったりして、役場の機能が完全にマヒしているところもある。こういう状態の中で、40万人近い数の被災者たちが、家を失ったりして困難な避難生活を過ごしている。
筆者は、自分自身が横浜で遭遇したこの地震について、遭遇記の一文をブログに載せたほか、これが他人事のようには思えないという切羽詰まった気持ちから、詳細の把握と被災者の皆さんへの援助の状況を注視している。
この震災は、地震の揺れがもとで、福島原発で事故が起きたこともあり、世界中の注視するところともなっている。50か国を超える国々からの援助の申し出もあった。アメリカ、韓国、ドイツ、フランス、イギリス、ニュージーランドの諸国からは、すでに具体的な援助活動を始めたとの連絡もあったようだ。
阪神・淡路大震災の時もそうだったが、地震に伴う直接的な被害の救済に劣らず大事なのは、被災者たちの生活の復元に、国を挙げて取り組むことだ。
アメリカのメキシコ湾岸諸州が巨大ハリケーンにより甚大な被害を蒙ったとき、アメリカ政府の対応が後手後手にまわったことで、国民からすさまじい怒りをかったことがあった。日本政府もその轍を踏まず、機敏に誠意ある対応をしてもらいたい。
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