困難を極める救出作業:東日本大震災

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地震発生からまる3日以上たった東日本大震災、被災現場では自衛隊をはじめとした救援組織が生存者の救出と死者の遺体回収に懸命に取り組んでいるが、困難を極めているようだ。

かりに生存している人が、何とか生きたままで救出されるためのタイムリミットは72時間とされるから、すでにそのタイミングは過ぎている。この間に救出された人は殆どいなかったというが、それはおそらく、ほとんどの人が津波によって海に押し流されてしまったからだと推測される。

いったん海に流された後で、海岸に打ち上げられた遺体も、おびただしい数に上るようだが、まだ回収は進んでいないようだ。

一方、建物の屋上等に避難したまま周囲と隔絶し、取り残されてしまった人々については、2万人以上に上っていたが、順次安全な場所に移されているようだ。それでも条件が悪くて、いまだ救出されない人が大勢いると思われる。

こうした状況の中で、まだ完全にわかっているわけではないが、この震災による人的・物的被害の状況が少しずつ分かってきた。

今(14日夕方)の時点で、死者の数は1700以上、安否の確認できない人の数は12000に上るという。家を失う等で非難している人の数は43万人、被害を受けた住宅の数は5万2000棟といったところが、この震災の概要だ。

安否が確認できていない人々の中には、町ごと津波に飲まれた南三陸町の住民約1万人が含まれている。そのうちの1000人ほどが海岸に打ち上げられてきているようだが、この人々の運命がどうなったか、全容がわかるまでには、長い時間が必要だろう。

上の写真(WSJから)は、生存者を探して被災地を駆け回る人々を映し出している。前面に広がる瓦礫の山が、津波による破壊のすさまじさを物語っている。被害者はただ単に自分の家を失ったにとどまらず、生活基盤たる町そのものを失ってしまったわけだ。

専門家の見積もりによれば、復興に要する資金は10兆円を上回るだろうという。だがそれによって、日本経済がシリアスなダメージを受けることはないだろうと受け止められている。

いずれにしても、被災後の復興には、国を挙げて取り組むことが必要だ。


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このページは、が2011年3月14日 18:12に書いたブログ記事です。

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