進まぬ復興:東日本大震災から3か月

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今日(6月11日)は、あの東日本大震災が発生してからちょうど三か月。現場の各地では、生き残った人々が亡くなってしまった人々の冥福を祈るために、黙とうをささげた。

三か月という期間は、人間の感覚からしても結構長い時間だ。どんなひどい目にあっても、人間には復旧能力のようなものがあって、これだけの時間があれば、とりあえずの打撃を乗り越え、未来に向かって新しい一歩を踏み出すことができる、はずだ。

ところが、被災地の大部分は、まだそうなっていないという厳しい状況に依然置かれている。太平洋岸に延々と続く津波襲来現場は、まだ瓦礫がうずたかく残っているままだ。今時点で片づけがすんでいるのは22パーセントに過ぎないという。

瓦礫が片付いていないのであるから、生活基盤の再建はそれ以上に厳しい。学校などの臨時的な避難場所にいまだに9万人もの人々が暮らしている。あまりにも異常というべき事態だ。

避難場所にいる人たちにとって、震災は現在も進行中だ。まともな生活にいつ戻ることができるのか、皆さんの不安は深い、その深い不安が絶望に陥らないよう、日本国民全体で支えていく必要がある。

仮設住宅に入れるなどして、とりあえず緊急事態から脱した人々も、その大部分は仕事を再開できる見通しが立っていない。

こんな状態の中で、朝日新聞の調査によれば、被災した人々の6割は生活再建のめどが全く立っていないという。

これには政府も責任がある。復興のヴィジョンがいまだに描けず、当面の生活支援策も全く示せないでいる。善意のしるしとして集まった義捐金も2500億円に達するというのに、被災者の手に渡ったのはそのほんの一部という状況だ。

被災した人たちは、政府をはじめ公の支援なしに、独力で立ち上がることなどとてもできない。それなのに、政府をはじめ公の側は、支援に向けての力強いメッセージを発することさえできていない。菅さんをはじめ、政治家たちは権力争いに忙しく、震災復興のためにエネルギーを割く時間がないからかもしれない。

こんな思いを抱いているのは筆者だけではあるまい。

日本国総理大臣である菅さんも、野党自民党の谷垣さんも、被災国民の痛みがわかるほどの想像力を、もっと磨いてほしいものだ。





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このページは、が2011年6月11日 21:25に書いたブログ記事です。

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