マグニツキー(Сергей Леонидович Магнитский)事件の真相

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2009年12月に役人の不正事件を追及していた弁護士セルゲイ・マグニツキー(Сергей Леонидович Магнитский)氏が取調べ中に死んだ事件について、あれは犯罪的な出来事だったと、ロシア大統領メドヴェージェフが非難した。ところが彼の避難する相手は的を得ていないのではないかと、欧米の新聞記者たちは大いに首をひねっているということだ。Russia blames doctors, not police, in death of lawyer Sergei Magnitsky By Kathy Lally

マグニツキー弁護士は、Hermitage Capital Management という企業が絡んだ国税の払い戻しにかかわる巨額横領事件を取り上げていたところ、告発の相手方のたくらみによって脱税容疑で捕らえられたが、その後拷問が原因で著しい健康悪化を来たし、そのまま十分な医療を受けられないまま死亡した。これが今日マグニツキー事件と呼ばれるものだ。

この事件は欧米のジャーナリストたちによって、ロシアにおける言論弾圧の象徴として大いに避難され、事件の全容解明と責任者の処罰が求められていた。今回のメドヴェージェフの言明はこうした背景を踏まえたものだ。

メドヴェージェフは、この事件を取り上げて、ロシアにおいても法治主義が尊重されるように強調したかったもののようだ。彼によれば、ロシア国民は誰でも適正な手続きに従って捌きを受ける権利を有し、拘留中に病気した場合には適正な医療を補償されなければならない。今回の事件においてもっとも問題なのは、病気になったマグニツキー氏に適正な医療を施さず、結果として氏を死なせたことにあり、その責任は刑務所の医療従事者がおわなければならない、というものだ。

この問題にかかわっている人権活動家のグループの代表ボルシチョフ氏は、メドヴェージェフは誤った対象を槍玉に挙げているに過ぎないという。この事件の本質は、国税のペイバックをめぐって巨額な金を騙し取った連中がいたということであって、追求されるべきは、刑務所の医師たちではなくその連中のはずだ。

横領事件にかかわった国税当局の役人は突然大金持ちになり、この事件を担当した検察当局のシルチェンコは不相応な出世をした。この連中の責任はもちろん、その背後にあって濡れ手に粟の金を手にした連中の罪こそ裁かれねばならぬ、というわけである。(写真はRIAから)





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このページは、が2011年7月 6日 22:30に書いたブログ記事です。

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