日本橋浜町:水彩で描く東京風景

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「人形町に接する日本橋浜町は、今では明治座のある町として知られる。甘酒横丁を東の方角に歩いてゆくと突き当りが浜町公園で、その傍らに明治座が立っている。昔は海鼠壁の風情ある建物だった由だが、いまでは特徴のないビルに変ってしまった。初代市川左団次が久松町にあった芝居小屋を買い取る形でつくったもので、歌舞伎界の門閥に縁のなかった左団次はこの小屋をもったおかげで、斯界に旦那と呼ばれるようになった。二代目は歌舞伎の改良に熱心だったことで知られる。小山内薫や谷崎潤一郎らとも親交があり、谷崎の日記によく出てくる。永井荷風の日記にも松莚子とか高橋君とか呼ばれて頻出する。

「この町もまた木造の古い建物がビルの間に点在し、なかなか絵になる風景が残っている。これは明治座に近い横丁の一角に見つけた光景で、コンクリートのビルと並び立つ風情ある建物が興味をそそったのだった。」

上の文章は10年近く前に描いた浜町の風景画に添えたものだ。このたび、その絵を基にして描きなおしてみた。当時あったような景色が今でも残っているか、まだ確認はしていないが、残っていない確立のほうが高いと思う。





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このページは、が2011年7月13日 19:58に書いたブログ記事です。

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